味・おすすめ度:★★★★★5.0
特に春・秋の脂ののった物が絶品。
産卵期~産卵直後は評価を落とす。
特に皮目の「焼き味」を生かす料理がおすすめ。
価格・産地・呼び方など
長崎・淡路・京都・静岡・・・ほぼ日本全国!
通常「カマス」と言えばこのアカカマスを指す。
野締めの物・小さなものは安いが、大きく鮮度の良いものはk1300~2000。
刺身にできることもあり高級魚となりつつある。
現代の魚の流通状態の改善を象徴するような魚。

私が市場に通い始めた頃は、刺身で食べられるようなカマスなんてありませんでした!トロ箱にドカンと入れられて、「腹は割れてて当たり前」みたいな感じ。かろうじて酢〆にできそうなものはありましたが、もう焼く方がええやんというレベル。
それが数年でみるみる改善。
水揚げすぐを氷海水で活け〆したり、流通形態も下氷でシート敷いた上に丁寧に並べたり。
もちろん手をかけた分、一尾当たりの値段は上がりますが値打が爆上り!
今やカマスの刺身は珍しいものではなくなると同時に、

カマスってこんなに美味しい魚やったんか!
と驚かされることになっています。
2016年5月入荷の静岡産かます。
大きくてめちゃめちゃ肥えた魚体。
脂のりがよく鮮度も最高なので立てて持ってもカッチカチ。
ちなみに市場で単純に「カマス」と呼ぶのはアカカマス。
極まれに「ヤマトカマス」も入荷があります。
こちらは「水かます」などと呼ばれ、その名の通り水っぽく、味はアカカマスのワンランク下。

さらに土佐清水からは「タイワンカマス」が入荷してくることもあります。
旬は春と秋の2回と言われています
夏が産卵の魚なので、春ごろ脂のりがピークに達します。
そして抱卵すると脂を落とし始め、産地によっては味も落ちます。
こちらは7月入荷の淡路産かます。
もう産卵直前くらいの卵の熟成具合。
ここまで来てもまだ多少の脂があり、実の旨味は全く衰えていない・・・
同時期産卵後の長崎カマスは全然美味しくなかったです。
さすがに産卵後は脂も抜け、身の味も落ちます。
が!

なんだかすぐに回復してくる印象です。9月ごろにはもう脂ののったカマスが出回ります。めっちゃええもんいっぱい食ってるんでしょうね。
冬は入荷量が減りますが、産卵直後を除けばほぼ一年中美味しいカマスを食べられるということになります。
もちろん何でもかんでもというわけではなく、しっかり目利きする必要はありますよ!
本気のカマスの脂のりをご覧ください
皮を強火で炙るのが一番分かりやすいと思います。
炙ってるとバチバチ音を立てて脂が飛び跳ねます。
皮だけではなく、身全体に脂が混在しているのも分かります。
カマスは皮を焼いた風味に特徴があり、カマスを食べるならこの「焼き味」を楽しむのが一番。
なので基本的には「焼き霜造り」「塩焼き」「一夜干し」のシンプルな料理がおすすめ。
カマスは刺身で食べると口当たりやわらか。
トロッと舌でとろけます!
風味豊かな皮目は旨味も強く、脂の甘みも相まってまさに絶品!
塩焼きにするときは塩をして1時間ほど置くか、開いて一夜干しにする方が絶対美味しい。
カマスの料理・レシピ
カマスの松茸包み焼

秋に脂ののったカマスで、出物の松茸を包んで焼き上げました。皮目をパリッと香ばしく仕上げています。肉厚で旨味がしっかりしたカマスに松茸の香りが好評の逸品です!
カマスと白子のソテー~秋野菜添え
打ち粉してしっかりと焼き目を付けて、カリッと仕上げるのが美味しさんのポイント。キノコと油通しした茄子を加え、バターをかけながら仕上げます。上りにレモン汁をかけて爽やかに!
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