味・おすすめ度:★★★★☆4.2
一般的すぎて話題性は低いが人気は高い。
春~夏は味の悪いものもあるので注意。
秋の戻りカツオは味は良いが、鮮度の悪いものも多い。
価格・産地・呼び方など
k500~1500とそのシーズンの入荷量で大きく価格が変わる。
高知や和歌山は日戻りケンケン漁で鮮度は良い。
宮城は巻き網中心な上、流通上1日遅れて入荷するものがほとんど。
春先の鹿児島・宮崎などにはいい思い出が無い。
「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」は初夏という季節の素晴らしさを詠んだ山口素堂の俳句。
「女房を質に入れても初鰹を食う!」ほど熱狂的だったのは江戸時代。
「初物」は寿命を75日延ばすなど縁起物として競って求められました。
また「勝つ魚」=「かつうお」=「かつお」と、古くは戦国時代からも縁起の良い魚として珍重されています。
現在でも春の初ガツオから秋の戻りガツオまで、日本の食卓を賑わせる人気食材。
日本の歴史・文化~生活様式を語る上で欠かせない魚なんですね~
黒潮に乗って日本を回遊!春~秋まで季節とともに変化する味わい
2月ごろ南太平洋の暖かい海から黒潮に乗って日本近海へ回遊。
3月ごろから鹿児島・高知・和歌山など、南の海で「初カツオ」が水揚げされます。
この頃のカツオは脂が無くさっぱり。
かつおは特有の「くせ」を味わう魚でもあります。
そのため薬味やタタキなど、美味しく食べられるよう様々な方法が編み出されてきました。
春~夏のカツオにはどうにも食べられないものがまれに混じります。ゴリゴリに硬くて味が悪かったり、生臭かったり。見た目はめっちゃきれいなんですけどねぇ~
温かくなるにつれて関東・三陸方面へ北上。
エサであるイワシを食べてだんだん超えてくるのもこの頃。
そして9月ごろ北海道でたっぷり脂ののったイワシを食べてUターンしてきます。
この9~11月に獲れるめっちゃ脂ののったカツオが「戻りガツオ」。
『脂至上主義』の現代では「初ガツオ」よりはるかに人気あり!
イワシばっかり食べてるので、その年のカツオの良し悪しは「いわし」で決まります。イワシが美味しい年はカツオも美味しい!
実はかつおの北上ルートは4つあると考えられています。
先ほど紹介したのは黒潮ルート。
他のルートで北上してきたカツオも同じように回遊します。
ごく一部回遊せずに日本近海では、南西諸島・小笠原諸島など周辺で瀬付きとなる群れもいますが、食材として流通はしていない。
黒潮ルートだけで考えると、より北の千葉のカツオは和歌山のカツオより絶対に肥えていることに。
でも実際はそんなことは全くないので、複数の回遊群があるのは明らか。
春頃、和歌山で良く上がる初ガツオは九州・紀州沖ルートで北上した物が多いです。
昨今問題となっている「カツオの漁獲量の減少」
これはツナへの利用など、世界的にカツオの消費量が増えたため、熱帯海域つまり産卵場で東南アジア・中国などが巻き網で根こそぎ乱獲しているから。
国際的な資源管理を強化する必要があるが、交渉は難航しています・・・
最近流行りの「迷いガツオ」に注目!
丸々肥えたこの素晴らしいカツオ。
9月に鳥取で水揚げされたもの。
鳥取!
これは黒潮ルートでやってきた極一部の連中がフラフラと日本海の方へ迷い込んだとされています。
これがまた美味いんです!
素晴らしい脂のりに、旨味がたっぷり。
春・夏ごろに迷ってたやつはほとんど脂が無かったので、迷いガツオも涼しくなる頃が狙い目ですね。
実際の入荷状況
2024-2 これも初ガツオ!?今年初のカツオは土佐ケンケン
思いっきり季節外れの感はありますが、抜群の鮮度とまずまずの肥え方。
外から見るだけで『脂は全くないな』と確信できる脂の無さそう感。
k1700でしたがk1200までまけてくれたのと、何となく美味しそうやったんで買ってみました。物は試し。
めちゃくちゃ美しい赤身!
見立て通り脂全くなかったですね!でも赤身の味が優しいのにしっかりしててめっちゃいい感じです。脂ののったカツオよりこっちの方が好きっていうお客さんも多いですよ~
2023-10 今年は本当にかつおの当たり年でした!
今年に入ってず~~っと安値高品質の続くかつお。
10月いよいよカツオの食べ収め「戻りガツオ」の時期も
宮城から特選品が続々。
例年宮城は鮮度感はあまりよろしくないのですが、流通状況が変わってる?
今年は鮮度も品質も非常にいいものが多い、多すぎる!
この鮮度感に脂のり!
しかもこれ市場ではB級品として扱われる「2入り」のもの。
kg単価は500~800円と異常に安値が続きました。
相変わらず鮮度感の悪いものも入荷ありましたが、見たらすぐわかります。ただ発泡スチロールの箱に氷ガンガン詰めで、蓋してテープで止められてるので、気心の知れた仲買さんの所でないと中身チェックができない。
さすがに10月も後半になると宮城のカツオは姿を消し始めました。
それと入れ替わるように入荷してきてたのが
氷見の迷いがつお!活け〆&神経抜きのこだわりの逸品。
なんとk2000円!1週間前に買った宮城の3倍の価格。
メッチャ赤身はキレイ、身質はさすがに最高。
赤いライトの下で撮ったので余計に赤い・・・
そして脂がほとんどナッシング。
元々相場感が違いすぎて全く買う気がしませんでした。この時期舞鶴あたりからヒラソウダやヤイトガツオのいいのも入荷してたので余計に買う気がしませんでした。買わなくてよかった~
2023-9 ダントツの高値!これぞ本物の迷いガツオ
今年はカツオの当たり年!
春~夏場にかけて継続的に入荷が多く、ずっと値崩れしたまま。
夏場に入って脂を落としたものの、高品質なカツオが非常に安い年でした。
2kg前後の小さめのカツオは和歌山も土佐もk700円前後。気仙沼が入るようになってk1500円くらいまで上がりましたが、こちらもすぐに価格が落ち着きk1000円前後。ようやくまた値段が上がってきたかな~って感じのタイミングで入荷してきた迷いガツオ。
2入りで7.5㎏。大きさはかなりいい感じ
肥え方も非常にいい感じ!でもそんなに脂があるようには見えませんね。
k2500円ですって。最近の他の産地と比べるととんでもない価格。話題作りにもってこいなので一応買ってみましたが・・・
脂はほんのり皮目にある感じで、そこまで特筆すべきでもない。
しかし!身の味わいは天下一品。鮮度感も抜群。
実はk1500円までまけてもらっています。それなら値打あるのですが、k2500円ではどうでしょう。。。「迷いガツオ」というネーミングはお客様にも受けがいいですが、さすがに高すぎか?!
2023-4今年最高の一本は和歌山産「弁慶カツオ」
相変わらず土佐の日戻りカツオが安い!旨い!でもちょっとずつ値段が上がってきてました。
と、そんな時
今日はこれ行き~ちょっとまけたるから!今は和歌山めっちゃエエで!
k1600の物をk1200までしてくれたので、今日はちょっと高めの
和歌山【弁慶カツオ】にチャレンジ!
さばいてビックリ!
めちゃくちゃ脂があるのに驚きましたが、それよりなにより身の味わいが最高!間違いなく今シーズン最高の一本でした!
それにしてもラベルがカッコいい。
売れ残ったやつ買って帰ったらあんまり脂なかったわ~やっぱりちゃんと選ばなあかんね・・・
2023-3土佐のカツオはひと味違う!日戻り鮮度抜群!なにより美味しい!
キレイではあったけど肝心な「味」で問題の多かった九州のカツオから
土佐のカツオがメインとなってきました。
日戻りの鮮度抜群の物がk800円前後・・・安い!
同時期出回る和歌山のケンケンカツオはk1800くらいなので半額くらい・・・
先日買った九州物と群れが違ってると思います。
明らかに身の味が良くなってる!しかも
皮目にいい脂!
爽快な赤身の味わいに、この脂の甘さとコクが加わりめっちゃ旨い。
ただし!身はどれも美味しかったですが、脂のりにはかなり個体差があったので目利き必須。外見上はほとんど差が無いですが、肛門下の肥え方で判断しました。
2023-3今年はカツオの当たり年?!九州の春のカツオはあまり買わないのですが
今年の九州のカツオは結構エエで!ちょっと脂あるやつとかもおるし
春の九州のカツオにはあまりいい思い出はないので半信半疑でしたが
「極上品」このラベルを見たら買わないわけにはいけません!
確かに肥え方がいいですね・・・例年とは少し違うような。鮮度は抜群。
脂はないですがキレイな赤身!
ただし味はイマイチなものが多く混じる感じでした。
虫が多いものもあっておすすめ度はやっぱり低かったです。
2022-11迷いガツオが続けて入荷~今日は島根から~ちょっと痩せて見えるのに
パッと見た感じはそこまで肥えてないし、脂がありそうな雰囲気・面構えでもないのに
すごいよ・・・
めちゃくちゃ美味そう!
シュッとしまった体型なのにたっぷりの脂のり。
身質良く赤身の旨味もまろやかで濃厚!
今日はk1200円。前回の迷いガツオよりは高いですが、他の産地のカツオの相場が今k1500円前後なのでかなりお値打です!
2022-10末~戻りカツオの入荷が少ないですが突然の迷いガツオが福岡から
福岡からの入荷なので一応「迷い」がつおということになります。
1kg前後と魚体は小さめなのですがコロンコロンに肥えてます。
何より驚くのはその値段!
1尾400円ですよ~
皮目にめっちゃ脂!
身の赤身もきれいで旨味最高。
嫌味・酸味は全くないまろやかでコクのある極上品!
間違いなく今年一番のカツオです!安すぎる!
2022-9末~久々に美味しそうなカツオは土佐日戻り
今年の夏は本当に魚が少なかった~
特に8月~9月!
9月は涼しくなってやっと魚が出てきたと思ったら台風の影響がすごかったですね。
なんやかんやで魚が増えだしたのがもう9月の末。
土佐の日戻りかつお!
8kgの立派な魚体で最高の赤身と、皮目にはうっすら脂。
戻りカツオでもおかしくない時期ですが、身質は初がつおに近い。赤身の非常に美味しい最高のカツオでした!
2022-7ついにきた・・・「きがつお」まずいというより味が無い!
恐れていたことがついに起こりました
千葉のいわゆる「悪くない」かつお。
もちろん外見上に傷などの瑕疵はないです。
なんでしょね~
この部分だけがまずいのではなく、身全体使えない・・・
これは避けようのない事故なのでしょうか?!
2022-5これは珍しい?!春なのにめっちゃ脂のあるカツオ
それは突然やってきました
千葉の初がつお。
何の変哲もない普通のカツオに見えたのですが・・・
春なのにこの脂!
皮目が脂で真っ白。
炙ると特にすごい脂なのが分かります!
しかし千葉の物こんなに脂があったのはこの前後2~3週間ほどだけ。その後は同じ産地でも全く脂が無かったり、他の産地で脂があったり。ある特定の群れだけにたまたま脂あったんですかね~
かつおの料理・レシピ
かつおの花椒風味
ポン酢・白だし・ニンニクおろし・生姜おろし・ごま油・ねぎ油・花椒辣醤を合わせた地に表面炙って切りつけたカツオを一晩漬けこむ。
脂が少ないカツオに