一般的に「鯛」の旬は一年に二回あるといわれています。
第1の旬【春】
「桜鯛」とも呼ばれる。体表はまさに桜色に美しい。
産卵の時期なので子に栄養をとられ身の味が落ちるものもいる。
第2の旬【秋】
「紅葉(もみじ)鯛」とも呼ばれる。漁師さんおすすめ!
厳しい冬に備え、たっぷりと餌を食べ、身に栄養を蓄えているので旨い!
産卵が終わり、魚体の回復しない「夏」は鯛がまずい!
というのが世間一般的な見解

しかし!明石で獲れるある一定の鯛だけは夏こそ「別格」の美味しさ!なんです。
美しく色鮮やか、そして丸々と肥えた魚体!
絹のような滑らかな身質に旨味・特に甘味がしっかり。
脂のりも良く、鯛どころかこの時期、白身魚の中で一番旨い!
「なぜこんなに美味しいのか?」考えてみました!

現地仲買さんにに話を聞いたところ「よぉ泳ぐからやろぉ!」とのこと。ですが、それでは他の産地でも特別美味しい鯛がいるはず・・・

・・・ここからはあくまで私の推理である
明石鯛の中でも、この美味しい鯛には条件がある
条件①
明石でも、ある特定の地域で獲れたものである。
条件②
5~700g前後と魚体が小さな雌の鯛。
条件③
もちろん、その中でも色が美しくよく肥えていること。
条件④
晩春というより6月以降、初夏~夏に出回る。
謎を解くカギ
カギ①
同じ時期、同じ地域で鯛の大好物「小エビ」も大漁。
カギ②
美味しい鯛の腹の中には、未成熟の子がある。
カギ③
同じ時期、大きな鯛も肥えるが味がワンランク落ちる。
カギ①
鯛は2歳頃に多くが雄へと性転換する=それまでは雌
推理編
明石の鯛は産卵後も急速な回復を見せる。
それは同時期、鯛にとって最高の餌である「小海老」が大漁であることから納得できる。

これが鯛の味に影響を与えるのだとしたら!
海老の大量発生から2~4週間後の暑い夏にこそ美味しくなると考えられる。
しかし!大きな鯛は『極上の味』ではない。
本当に美味しいのは、この時期にまだ小さく未熟な子を持つ鯛。
すなわち・・・未経産(産卵していない)なのでは?!
産卵期でも子に栄養を取られることなく、さらに海老たっぷり食べて栄養を蓄える。
海老を食べる事で身の味わいが格段に良くなった明石鯛。

これが夏に美味しい日本一の鯛の正体なのだ!・・・たぶん
皮目にびっしりと脂があって、身にも脂が混在。
いかにも美味しそうな飴色の身!

毎年恒例、夏のお楽しみ!この時期はあえて小さな鯛を狙ってみてください。
実際の入荷状況
2023-5 本当の旬はこれから!という兆候が見えてきました。
今日は明石山丸水産の物。
めちゃくちゃ餌食べてます!

ぜんぶ海老っぽかったです!これだけ食べてると身の味がかなり良くなってそうですね!
2023-4 例年よりかなり早い入荷では?!本当に「あの」日本一美味しい鯛なのか?

じゃじゃ~ん!はしもっちゃんのために本場から特別に引いてきたで~
こちら北部市場には全く入荷が無いものですが、本場市場にはチラホラ入荷があるようで

北栄水産の江藤さんが僕のために本場から引っ張ってくれた特別品!
600gサイズくらいですね!めっちゃ肥えてます。
ただちょっと気になるのが・・・
お腹をちょっと抑えると産卵しちゃってます。
ここまで成熟したものは今までなかった気がします。

見た目はめっちゃ美味しそうですが、漁場がどこなのか?食べてるエサが何なのか?までは分かりませんでした。味はまずまず、脂のりはまだまだ全然でした。
2022-7 明石の鯛が食べていたのは‥‥


大量の小さな蟹でした!
700g前後の小さな鯛。
やっぱり甲殻類が大好物のようですね!
2022-5 遂に初入荷!例年より少し早く始まった気がします。
5月半ば突然大漁に入荷してきた毎年お楽しみの鯛。

つい先日まで淡路の桜鯛などの良い鯛もあったので、今年は漁の始まりが早い気がします。
惚れ惚れする色艶に肥え方!
例年のごとく、買うのは700g前後の小さめのもの。

1kgアップの物も入荷してきて、良く肥えて一見美味しそうに見えます。でも食べて美味しいのはやっぱりこのやや小さなものですよ~
他の産地の鯛は産卵を終えたばかりで、子は抜けてしまって身はガリガリ。
しかしこの鯛にはこんな未成熟な子が入ってることが多いですよ~
大量の入荷の中から美味しそうなものを厳選しています!
よく肥えたものはなぜか締まりやすいので、こうやって選らないと本当に美味しいものとは出会えません!