味・おすすめ度:★★★★★5.0
「なぜこんなに安いのか?」理解に苦しむ魚。
脂のり良く旨味もたっぷり、あえて言えば皮目の長い骨。
使う地域と使わない地域がはっきりしている。
価格・産地・呼び方など
こちらの市場では非常に安いのは他の人に知られないように買い占めてるから?!
安い時はk500円程度と超破格。
スミヤキと呼ぶ人が多い。
好んで食べる地域と、全く食べない地域がくっきりと分かれる魚。
特に相模湾・小田原辺りでは非常に人気が高い!
こちらの市場には主に徳島から。11月ごろから始まり、春先くらいまでしっかりと脂ののった最高の物が入荷します。
トロのような脂ですがクセはなく、旨味もたっぷり!
脂に甘味があって、旬の頃はたまらなく美味しい魚です。
なのになぜ、全く食べない地域があるのか?!
食べない原因は味ではなく、見た目と扱いにくさ
中央市場への着状態。
真っ黒で不気味ささえ感じさせる。
その上ベトベトぬめぬめ、粘液が体中にまとわりついています。
さらにはこの歯の鋭さ!
釣りの仕掛けや縄を切ってしまうので「ナワキリ」とも呼ばれる嫌われ物。他にも「エンザラ」「スミヤキ」「サビ」などの呼び名がありますがどれも美味しそうな名前ではないですね・・
見た目の悪さに加え、取り扱いにくいというイメージがあります。
皮の方から身に向かって長くて硬い骨があり、頭の方から尻尾までずっと並んでいます。
もちろん普通の魚にはない骨。
これが取り扱いにくいイメージの原因ですが・・
この骨は意外と簡単に処理できるので、本当に一度使ってみないともったいない魚です。
骨切りすればすべて解決!
塩焼きにする場合は、中骨に身を付けたまま皮から骨切りすれば、骨はほとんど気にならなくなります。
それにしてもすごい脂でしょ!
造りや、焼き霜造り、湯引きなどにする場合は
3枚におろして、腹の骨をかいてから骨切。
鱧の骨切の要領で身から骨切は、鱧よりも皮が薄いのでちょっと難しいです。
皮を引いてからも骨切=一枚落としする方法もあります。
この場合は造りというより、たたきみたいな感じになりますね。
3枚におろして腹骨かいた後でも、皮からの骨切もできます。
身の約3分の2ほどの深さまで切ればいいので、身からの骨切より簡単かも。
大きな物なら骨切せずに身をそぎ取ることもできますが、面倒&無駄が多いので基本的には骨切するのがいいでしょう。
煮付けにするときは骨切すると、旨味が抜けやすくなるのでそのまま煮付ける方がいいです。長い骨も意外と気になりません。一夜干しや塩焼きも骨切しなくても、そこまで気にならないレベルで食べられます。
不人気?!というかほとんど知られていないので安い!
こちらの市場ではこの魚を好んで買う人がほとんどいません・・・
なので安く買いたたかれ、驚きの価格で手に入ることもしばしば。
特に小さなものは1尾50円くらいになることも!
最高の脂のりに魚の旨味もたっぷり!
取り扱いも一度知ってしまえば全然難しいものではない。
さらに非常に安い!
これは入荷していたら絶対に買うべき魚ですね!
よく似た魚「かごかます」の存在
くろしびかますとほぼ同時期に、同じように入荷してくる魚。
こちらの「かごかます」のほうが、体高があって黒というよりは銀色。
知らずに見たら「めっちゃ肥えたくろしびかます」みたいに見えます。使いかたはくろしびかますと同様。味も脂のりも同じように素晴らしい魚です!
クロシビカマスの料理・レシピ
クロシビカマス焼き霜造り1
鱧みたいに骨切してから、皮目と身を炙って冷凍庫で急冷しました。
脂があって身はふんわり!
この魚は焼き味を付けた方が、風味が加わってさらに美味しく感じるように思います。
クロシビカマスの塩焼き
片身おろして焼き霜造りにして、残りの片身は骨に付けたまま皮から骨切して塩焼きしました。
ものすごい脂のりでふんわり焼きあがります!そこまで細かく骨切しなくても骨はほとんど気になりません!
クロシビカマスの煮付
煮付けにするときは骨切すると身の旨味が全部逃げてしまうので、そのまま煮付けています。
脂があるからしっとり仕上がります。骨が長いので取りやすく、意外と気になりませんよ!
かごかますの焼き霜造り2
見た目の美しさと手軽さならこちらのやり方。
3枚におろして腹骨かいてから、皮目から骨切しています。
頭右で包丁を左側に寝かせて、身の3分の2まで骨切り。身は炙らず、皮目だけを強火でさっと炙っています。