味・おすすめ度:★★★★☆4.0
ウロコの硬さ・価格の高さ・歩留りなど、美味しいが扱いにくさが目立つ。
話題性はあるので価格と根性次第で★★★★★5.0
価格・産地・呼び方など
長崎など市場流通するものはk2500以上、高い時はk3500~4000。
土佐清水から送られてくるとk1600~2500まで落ち着く。
一度土佐清水を知ると、市場流通の物は買えない・・・
「恵比寿」という名前からして縁起がいい!
鮮烈な赤色はいかにも「おめで鯛」。
知ってる!?実はあの「えべっさん」が持ってる鯛はこのエビスダイやねんで!
ウソかホントかは知りませんが、さらに縁起がいいのでそういうことにしておきましょう。
美しいのはいいけれど、ウロコは凶悪なほどに硬いガラス
魚をさばく基本、まずはウロコを取りましょう~
大きくてしっかりしたウロコやね~
なんて感心している場合ではありません。
ひとつひとつが硬く鋭く、まるで嫌がらせで作られたガラス細工のよう。
それだけではなくガチガチに皮に貼り付いてる感じなんです。
なめてかかって素手なんかでやると、指の皮全部ささくれ立ちます。
本気のウロコ取り器使って五分五分の勝負。
出刃包丁でなんか歯が立ちません。
ウロコ取るだけでめっちゃ疲れたわ~
ってなるくらい大変ですが、やってやれないことはないです。
邪道ですが・・・サッと霜降りして氷で冷やしてからやると楽チン。
お湯をチョロっとかけたくらいじゃビクともしないので、80℃くらいの湯に10秒ほどくぐらせて氷水で急冷!
これくらいなら身はほぼノーダメージ。
これだけ立派なウロコ、もしかしてウロコ煎餅にしたら旨いんじゃないすか?!
さすがはおどりやの宮崎君、チャレンジャーです。
硬いと言っても所詮はコラーゲンとカルシウムの塊。
高温の油にかかればひとたまりもなく、心地よいパリパリ食感になるはず?!
塩水で洗って一日乾かしてからサクッと揚げてやったそうです・・・
あいつダメですね。プラスチック食べてるみたいです。
ご苦労様でした・・・
苦労が報われる瞬間!身の味わいは最上級!
実はこの魚、ウロコだけではなく他にもいろいろ苦労しないといけないのです。
入荷量が少ないので、手に入れるのに苦労するということもありますが・・・
まずは魚の価格。
一度に大量に獲れることはないので、値段は産地の言い値。
小さなものなら安い時はk1600ほどですが、少し立派なものならk3500~4000の時も。
土佐清水からの直送で入荷がある時はかなり良心的な価格。大きなものでもk2000~2500くらい。それに比べ市場流通の長崎産はk4000くらいすることが多かったです。
元値が高い上に、歩留りも悪い。
刺身で使う上身はわずか40%弱程しか取れません。
それだけ頭が大きいのですが、その頭もごつごつした骨が多く、大きさの割に身がついていません。
こちらは4月に入荷の土佐清水2kgのエビスダイ。
k2200くらいだったと記憶しています。
この時は価格に対する苦労はありませんでしたが、その後のウロコ取りや歩留まりの悪さは覚悟の上で買う必要があります。
そんな苦労をくぐりぬけ、いざ三枚におろしてみると、そこには美しい身。
冬~春ごろには程よく脂ものります。
刺身にして、食べた瞬間のインパクトは薄め、ですがすぐに身の甘みがやってきます。
皮は身以上に甘味を感じるのでぜひ活用したい。
湯引きにして添えるのが基本ですが、
硬さを覚悟で湯霜や焼き霜造りにするのもあり。
頭や骨は塩焼き・煮付けに骨蒸しなど、味わいの良さだけはトップクラス!
ただ、見た目は立派ですが、思ったより食べるところが少ないのが難点。
エビスダイの料理・レシピ
エビスダイの刺身3種
上から皮を引いて刺身にしたものに皮の湯引きを添えたもの。
焼き霜造り
湯霜造り
この魚「らしさ」を味わうのには皮を引いてしまった方がいいですが、総合的な美味しさで言うと湯霜造りが一番好きです!このくらいの大きさ(1.3kg)だと固さもそこまで気になりません。
エビスダイのかぶと煮
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