味の評価とおすすめ度:★★★★★5.0
秋~冬、脂ののったさわらはまさに究極の美味!
脂を落とす時期はやや評価を落とすが、それはそれで旨い。
三重の答志島のサワラなどブランドサワラが台頭、価格も上がっている。
が!正直高すぎるサワラは買わない。安くてもいいサワラいっぱいおるもん。
価格・産地・呼び方など
トップブランドは三重のトロさわらや明石の赤札サワラ・鳥取淀江の活け〆サワラなど。
k2800~4500円とサワラにしてはかなり高値。
同時期にk2000円前後で全国各地から良いサワラが入荷ある。
「サワラ」という名の由来は、腹の幅が狭いから狭(さ)腹(はら)=さわらという説が有力。
それともう一つ。
瀬戸内海では、春に産卵のために入ってくるサワラが大量に水揚げされます。
関西では子や白子を好んで料理するので、この時期のサワラを珍重。
そのことから春の魚=魚へんに春=鰆という説。
しかしこの頃のサワラは子に栄養を取られ、身の方はあまり美味しくない個体も多いです。
春は子が大きくなるものの、産地によって美味しいものもあります。でも全体的にサワラが一番美味しくなるのは秋~冬の寒い時期。全国各地でよく肥えて脂ののった物が上がります。最近では活け〆・血抜きされたものが多く、最高の身質で刺身を楽しめるようになりました!
サワラのシーズンはここから始まる!明石の釣りさわら
それは8月も終盤に差し掛かる、まだまだ暑さ厳しい晩夏の頃。
ぼちぼち秋に向け、各地からまずまずのサワラがちらほら。
痩せてはいないが肥えてもいない、脂なんてまだまだ乗っていない・・・
そんな中
颯爽と入荷してくるのがこの明石の釣りさわら。
魚体は大きくないものの、肥え方も色艶も他とは次元が違う!
一昔前は釣りではなく、突き漁のサワラが入ってきていました。美味しいけど体に銛で付いた穴があるのが弱点。
見た目に分かりにくいですが、他の産地の物よりはかなり脂がのっています。
そして更に身の味が素晴らしい!
しっとりとした身質にまったりとした旨味・甘味。
口の中でとろけるような美味しさ。
8月下旬の明石のサワラ。
皮目を炙って刺身に引いていますが、身質の良さがはっきり分かります!
とろりととろけるような食感に濃厚な旨味。
ここから約2か月はさわらと言えば「明石の釣り物」一本でいけるほど!
その間さらに脂のりも良くなってきます!
そして寒サワラの時代へ!代表は鳥取淀江の極上さわら!
涼しくなるにつれ、明石以外にもよく肥えた、しかも大型のサワラが出始めます。
サワラが本当に美味しくなるのは4kgを超えたあたりなので、仕入れも徐々に切り替えていきます。
長崎壱岐・福岡・京都・福井などなど、各地から素晴らしいサワラが入荷してくる中でも圧倒的な存在感を示すのが
鳥取淀江のサワラ!
船上にて活け〆神経抜きの上、血抜き・腹抜き・えら抜きの最高の処理を施された極上の一本!
さらに「脂質計」を使って脂を量り、一定の基準を満たしたものしか出荷しないという徹底ぶり。
ただ脂質計を使っているとはいえ、全部が全部すごい脂があるわけではありません。最終的には自分の目で最高の一本を目利きして仕入れます。このサワラが入荷してからはほぼこれ一本でいってます!
サワラと言えば、色は白濁した身を思い浮かべますが、このサワラはものすごい透明感!
処理の良さがこういうところに現れます。
焼き霜造りにするため皮目を炙ったもの。
全体に脂がびっしりとのっているのが明らか!
船上ですでに勝負あり。
他の産地でここまでの物はなかなかありません。
もちろんおすすめは「焼き霜造り」
しっかりとしているのに、なめらかでとろけるような身質。
究極にまで引き出された身の旨味に、トロのような脂で濃厚なまったり感。
さらに炙った皮の風味がいい仕事をしています。
年間通じても最もおすすめできる魚のひとつ!
時と場合によっては他の産地のサワラの倍以上も値が付くこともあります。
それでもこのサワラは買うだけの価値があります!
年明けごろから徐々に脂が落ち、身質も低下。
それに合わせ、さわらのシーズンも終了ということになります。
サワラにはウロコが無い!?なんてことはありません
サワラのウロコは非常に取れやすい。
網どりなど、粘液さえなくなっているような物はウロコも取れてしまってるので
サワラってウロコないんや~
などと思われがち。
ですが釣り物のサワラなど、鮮度よく状態のいいものほどウロコは残っています。
ウロコは包丁や金たわしなどでこすれば簡単に取れますが、頭を鍋や煮付けに使う時にはちょっと注意が必要です。
サワラの頭の
この部分、目の後ろ側にウロコ?のような細長く細かいものが埋没気味にあります。
これがちょっと霜降りしたくらいでは取りにくいやっかいもの。
ウロコ同様、口に入るとかなりの不快感があります。
なので
包丁ですき取っておくのがベスト。
サワラは骨が柔らかく、噛むとギュ~ッと旨味が出てきます。ガムみたいに噛みしめて食べるのが旨い!これを取っておくと快適に楽しめます。
実際の入荷状況
2023-12 今年もいよいよ終わり!ってタイミングでいいサワラ!
寒波や時化やらでめっちゃ魚が少ない今日この頃。
サワラもk1600円程度だった大阪湾がk2700円に跳ね上がるなど大出世。
物的には全然大したことないのに、さすが年末・・・
そんな中、突然現れた救世主
山口より!4kg前後の丸々肥えた極上さわら見参!
ええサワラやろ!玄人好みのサワラやで。うまいこと買ってきたからk2000円でええよ~
値段もさることながら、肥え方も鮮度的にもかなりいい感じ!
迷わずいっぱい買いましたよ。
血抜きまではしていないのでやや赤みがかった身。
ですが、鮮度よく透明感あり、細かいサシのような脂が身に入り込んでます。
これ最高です!鳥取淀江のプレミアムサワラに匹敵する極上物!この年末の大変な時に助かります!
2023-12 久久に明石のサワラを買ってみました
9月頃はメインに買っていた明石のサワラですが、この札がついたころからピタッと買うのを止めていました。
明石以外の産地の方が安くて良いもの増えてきてたので。逆に明石は極上赤札以外は、なんか脂も薄そうなほっそりした物ばかり。今日はちょっと魚体良く見えたので久々に買いました
キレイですね。まあ~こんなもんでしょう。
2023-8~11 今年のサワラの近況報告
お盆を過ぎたあたりから、毎年恒例の明石の釣りさわらが頻繁に入荷するようになりました。
まだまだ薄いですが、思ったよりは脂もあります。身の味わいは最高で身質もよし!今日は塩タタキにして大葉のジェノバソースを添えてみました。
9月になると一気に魚体良くなってきました!
全てというわけではないですが、しっかり目利きすれば脂のある個体もあります。
ホンマはk2800位すんねんで!
なんて脅されながらもk1800~2200円くらいで買わしていただいていました。
ところがです!
10月に入った途端、こんな札を付けてくるように・・・
この黄色い札が付いたことでホンマにk2800くらいとられるようになりました。しかも脂質5%なんでそこまで脂もないです。脂質がもっと高い赤札はk3500以上とか。この頃から明石買うの止めました。
その後は
大阪湾の首折れさわら
同じく大阪湾活け〆サワラ
など良さそうなところを転々と買っていましたが
たどり着いたのはこれ!
宮城の網のサワラはk1800円前後。
身質も脂のりも最高!でも・・・
4kgを超える魚体で肥え方も最高なので、脂がのってるのは分かりますが、こんなにくっきり網の跡がついてるのに、活け〆した魚のように身質がいいのに驚き!
大好評トマト味噌焼き。トマトの酸味が味噌の風味とさわらの旨味を引き立てる逸品。
僕はネギ味噌を使ってほう葉焼きにしました!ほう葉の個性的な香りがいいですよ。
2023-7 この時期にこのサワラ!あまり見かけない産地ですが即買い!
このところ市場によく出回っているのは「サワラ」と呼ばれてはいますが、1kg前後の「サゴシ」がほとんど。
小さいし細いし、もちろん脂なんて全くありません!でも釣り物や活け〆されたものもあるので値段次第ではちょこちょこ買ってます。あっさりですがやっぱり旨い!
そんな日が続いていましたが・・・そんな中
魚体の大きさ、肥え方、明らかに次元の異なるこの一箱。
一本釣りの活け〆サワラ、産地はなんと熊本。
こちらの市場では本格シーズンでもなかなか見ない産地。
まず色目に惚れました!他の産地の物は黒々しいですが、これは黄色がかって優しい色合い。鮮度感と身の張りがすごいです!
上の一本は大当たり!
透明感のある美しい身質に、しっとりと全体に脂が回った極上物!今夏ですよ!夏!
下の一本も、比較すると脂のりこそ負けるものの旨味がスゴイ!見た目よりは脂があって他の産地のものとは別次元です。
k2500くらいかな~って思って覚悟してたら・・・k1700ですって!これはめちゃくちゃ値打あります!だって夏ですよ!
2023-4 あえて買ってみた!明石のバリバリ子持ちさわら
見るからにお腹ボテボテ・・・
明石の釣り物さわらです。こんな状態でもk2200ついてるんですが・・・めっちゃ安くしてもらったので買ってみました!
めっちゃ美味しそうな子と白子がたっぷり入ってます!
嬉しいような嬉しくないような・・・・
皮目炙ると脂がじわっと浮き出ます。
さすがは明石産、味も上々!
数本買いましたが脂のりにはかなり個体差ありますね。画像の上の物は脂なくすってんてん。下の物はしっとりと脂がありました。釣り物ですが活け〆ではないので身がかなりゆるかったです。味はどっちもめっちゃ旨かった~
歩留りかなり悪くなりますが、味の面で言うと全然許容範囲。
値段次第では面白い商材となります。
サワラと朝掘り京都筍のグリル~からすみ掛け
旨味有るサワラと筍の春の組み合わせ。からすみの塩味がアクセントです!
2023-4春のサワラは避けていましたが・・・これならいける!
魚へんに春って書いて「鰆(さわら)」ですが、春は産卵で子が大きくなってしまう時期。
その分、身の栄養は取られて身質は弱くなり、歩留りも非常に悪くなっています。
しかも漁獲高が減っているので非常に高値が付く事が多いです。脂も落ちていて躍起になって買うものではないと思っていました。
しかし今日のさわらは
富山氷見産の活け〆神経抜き。
10本ほど入荷あった中から「腹が子で膨らんでいない物」を選んで買ってます。
入ってた子はこの程度。
身質や味に影響を与えるほどではありません。
むしろこれから大きくなる子のために、栄養を蓄えていく段階では?!
さすが!活け〆神経抜きの素晴らしい身質。
透明感がある中に、うっすらとではありますが脂がきめ細やかに混じり込んでます。
さばいて皮目を炙るとじわっと脂が浮いてきてます。
鮮度がいいので皮目を炙った塩タタキでご提供しました。見た目よりも脂感があってしっとりまろやかな旨味。とろけるような甘さで非常に旨かったです!
ただいっしょに入荷してきてた中には、かなり子が大きいものも混じってました。特にこの時期はしっかり目利きが大切ですね。
2022-10まだまだお試し!?鳥取淀江の釣活け〆サワラ
いつもは11月頃から入荷し出すイメージでしたが今年は早い!
「あの」腹抜きではなく、普通の釣りさわら。
身質良く、皮目にはうっすらと脂があります!
これでk1500。2㎏ギリギリの魚体で、旨味もまだまだ全盛期には敵いませんでしたがいい感じではあります!
翌日同じく淀江の活け〆のサワラが入荷。
2kgを割る魚体ですが激安k1000!
2022-9毎年お楽しみ!のはずだった明石のサワラ・・・
毎年8月も終わりごろになると、他の産地に先んじて多少脂ののった美味しいサワラが明石から入荷するのですが・・・
以前はほとんど無選別でk1500~1800くらいと安い!その中から良いものを探し当てるのが目利きの醍醐味!それが今年はきっちり選別したものk2500~その残りものk2000みたいな・・・「いいもの欲しかったら金を出せ」ということですね~全然面白みがありません。
明石の山丸水産さんのサワラ。
まあ美味しそうではありますがまだまだ高値を出すほどのものでもない(負け惜しみ)
他の産地でもいいサワラはありますから!明石にこだわる必要なんてありません!(負け惜しみ2)
ほぼ同時期に入荷していたサワラがこちら
淡路のカネマサ水産さんのサワラ。
肥え方は明石に匹敵する!鮮度は良いけど多少身質がゆるいのは残念。
しかしk1500と圧倒的なお値打ち感!
福井の定置網のサワラ。
肥え方よく、しっかり処理されているので身質もしっかり。
明石を凌ぐものの良さ!今のところの最高品質!
k1600だなんて信じられますか?!
安かろう悪かろうでは全然ありません!ここまで値段に差があると無理に明石にこだわる必要もありませんね~
2022-7三重答志島の(値段だけ)極上さわら
冬場このサワラが「トロさわら」として売りだれるとk3500くらいでしょうか。
産卵終えてかなり回復したかに見えるこの一本。
k2400・・・勉強のためとはいえちょっと高い!この魚体なら普段は絶対買わない値段。
はい!透明感あります。
さすがに鮮度と処理は良いですね。
脂は全くないです。
旨味も少し薄いです。
k1500くらいなら値打もあるでしょうか。やっぱりもう買いません。
2021-10ブランド化すすむサワラ!最高のサワラが高くなる!!
明石のサワラは今年からフィッシュアナライザを使って脂肪分を計測してブランド化。
これまでみたいに「安いものの中から目利きで最高の一本を選び抜く!」なんてことができなくなっていきますね~
淀江のサワラも「PREMIAM」ブランドが登場・・・
明石も淀江も極上もんはk2800くらいが相場でしょうか。
でも結局最後は自分の目で見て買わないといけません。PREMIAMでも「あれ?!なんか脂薄くない?」ってこともあります。
サワラの料理・レシピ
焼き霜造り・塩たたき
鮮度の良いさわらが入荷したらこれが鉄板料理!
皮目に薄く塩を当ててから強火で炙って切りつけます。
醤油などで食べさせるなら「焼き霜造り」
酢橘などのかんきつ類と藻塩などの、ええ塩で食べてもらうなら「塩たたき」
ちなみに酢橘などの柑橘類を絞る時は、切り口を上にゆっくり絞るのが◎
絞った果汁が、果皮から染み出した香り成分を伝って落ちるので香りがさらによくなります。
サワラの蓮根巻揚げ
サワラを薄くかつらむきした蓮根と大葉で巻いて天ぷらにしています。蓮根のパリッとした食感の中から、ふんわり食感のサワラ。蓮根の甘みがさわらの旨味をさらに引き立てています!