味・おすすめ度:★★★★★5.0
安くて美味しい!特に脂のある物はトロッとして最高!
大きければ美味しいという魚ではないので目利きは必要。
非常に一般的な魚なので逸品料理にするとおすすめに苦戦するかも。
刺身はよく売れるので高くても鮮度の良いもので。
価格・産地・呼び方など
単に「イワシ」と呼ぶときは「マイワシ」を指す。
大阪湾のイワシでも箱800円程度、安すぎ!
北海道の超大型のイワシはやや高い。
石川の活け〆いわしでk1500円前後。
市場への入荷はほぼ一年中。
特に産卵を控えたいわしは脂がのるので美味。
なので各地のおおよその産卵期をまとめると
津軽海峡:1~6月ごろ
関東~東海:3~6月ごろ
土佐~日向灘:11~4月ごろ
山口~九州:12~4月ごろ
山陰:3~6月ごろ
でも脂のある無しはあっても、そこまで味の落ちる時期もない。
煮ても焼いても揚げても刺身でも、様々な料理で楽しめる万能魚!
昔は「いわしも7度洗えば鯛の味」と言われたように、鮮度落ちが早く、生臭い魚のレッテルが貼られていました。特に脂ののったイワシの鮮度は落ちやすいので。
現在では漁法も鮮度管理も革命的に向上!たっぷり脂ののったイワシでも刺身で食べられるものが多くなりました。
そこで市場に入荷する中でも、特徴的ないわしを見ていきましょう。
石川の活け〆いわし!美味しいイワシのシーズンはここから始まる
日本海のイワシの旬は春(2~5月頃)氷見の春イワシなど、美味しいイワシが春の訪れを告げます。
3月ごろからポツポツ入荷のある石川の活け〆いわし。
一尾ずつ丁寧に首を折って活け〆してあります。
鮮度の良さがはっきりと分かるほど魚体はピッカピカ。
身の透明感が素晴らしい!
少しやせて見えることもありますが、脂のりもしっかり!
まさに刺身専用いわし!大きさも良い型の物だけを選別してあります。一尾200~250円前後と安くはないですが、お客様にはいつも喜ばれます。
刺身で食べても臭みなんて全くない!
とろんとした、とろけるような食感に甘味たっぷりで濃厚。
大阪湾巾着いわし!灯台下暗しとはこのこと
大阪湾のイワシは漁港が近い上に「巾着漁」で水揚げされるので鮮度抜群。
巾着漁は役割の異なる3種の船で行われます。
まずは魚群を探す小さな船。
魚群を発見すると網を持つ船に連絡、すぐさま駆けつけて網を入れます。
網のすそを「巾着」のように絞り、イワシを集めたら運搬船の出番。
フィッシュポンプでイワシを傷つけることなく吸い上げ、そのまま氷海水で〆&冷やし込み、すぐに漁港へ戻って水揚げ。
巾着漁は鮮度と品質管理に徹底的にこだわる漁法。なので大阪湾のイワシは丸々肥えてピッカピカなんです!
魚体は小さいですが鮮度抜群な上、脂もたっぷり。
脂だけではなく身も甘い!そして安い!
刺身が旨いですが、安いので煮物・焼き物何にでも料理できます。
鮮度の味わいの良さもさることながら、使い勝手が非常に良い!総合的に考えるとこれが日本一のイワシかも!?
いかにも北海道らしい!ジャンボいわし
めちゃくちゃデッカイ上に、超絶的な肥えかた。
7月ごろから入荷するのは北海道のジャンボいわし。
秋刀魚が獲れなくなってから入荷量が増えていましたが、ここ数年はかなり量が減っています。
特にここまで大きな物はかなり少ない。
このイワシの特徴はこれ
脂!!!!!!
とにかく脂がスゴイ!!!
常温でおくとみるみる溶け出します。
この時期もう少ししたら「北海道天然ぶり」も入荷が始まります。
北海道の天然ぶりが脂たっぷりなのは、このイワシを餌にしているからかもしれませんね。
舞鶴が誇る極上「金樽いわし」あまりの漁獲量の少なさにまさに幻級
金太郎イワシと呼ばれることもありますが、大阪湾で獲れたものもそう呼ぶことがあるので「金樽イワシ」と呼ぶ方がいいでしょう。
※京都府HPより抜粋(https://www.pref.kyoto.jp/kaiyo/maiwashi.html)
黄金色に輝くという伝説のあるイワシですが
ところどころ本当に金色に輝いています。
金樽イワシは天橋立の内側「阿蘇海」でのみ獲れます。海水の出入りが少なくエサとなるプランクトンが豊富で、丸々太って・・・と言われていますが、今日入荷の物はそこまで肥えてない。
さばいてみると、確かに皮目にはしっかり脂がありますが、これ以上に脂のあるイワシが他の産地でも同時期に出回ります。
そして意外なくらい身質はしっかり。
ある程度骨抜きしたうえで、さらに骨切してお刺身にしてみました!脂は適度な感じ。ですが身の風味が非常にいいです。この美味しさは金樽イワシならではですね!
ちなみにこの日はお盆明けということもありk2500円・・・史上最高に高いイワシでした!
2323年のピカ一はこちら!千葉のトロいわし
入荷量自体は非常に少ないですが、今年はこれが一番かも!
鮮度・大きさ・脂のり・価格、どれをとっても合格点!
骨の柔らかさも特筆すべき点!軽く骨切しながら刺身に引くと、ほとんど骨が口に当たりません!
2kgで1500円前後なのでやや高値ではあります。
イワシの刺身は取扱注意
トロンと甘くて濃厚ないイワシの刺身はまさに絶品料理。
しかし鮮度の良いものを仕入れるだけではダメ。
お店でも鮮度を保つような取り扱いが必要です。
イワシは鮮度落ちの非常に早い魚です。
特に脂ののった物は、ちょっとしたことですぐに悪くなります。
鮮度を保つためには、とにかく触れる時間を短く、常に冷やし続けることが大切です。
腹を開けて水洗いしたらすぐに氷で冷やす。
三枚におろすときは手を氷水で冷やしながら。
おろした身はすぐに氷を下に敷いたアルミの板に置く。
などなど、とにかく体温を伝えないこと!常温に置かないこと!