味の評価とおすすめ度:★★★★☆4.2
「ただし鮮度後良いものに限る」鮮度が落ちると味が一気に劣化。
脂のりがいいに越したことはないが、脂が無くても美味しい。
価格・産地・呼び方など
入荷するのはほとんど土佐清水直送便、まれに鳥取などからも。
小さいものならk500~800、1kgアップでk700~1200くらい。
脂のりを求めるなら高くても大きいものの方がいい。
秋~春にかけて、特に1kgを超えるくらいの中~大型のものが非常に素晴らしい!
血合いの赤茶色~皮に向かって鮮烈な赤を経て薄桃色までの美しいグラデーション。
皮ぎしに分厚い脂の層があり、これをサッと炙ると
脂が多すぎて皮がはじけるほど!
めちゃくちゃおいしそうでしょ。

おまけに、身自体は「赤身の中では最高峰」という評価があるくらい味の良い魚。

あれれれ~でもヒラソウダなんて聞いたことないし、食べた事もないよ~
そうなんです。
味の良いわりに人気も知名度もかなり低い。
それにはやはり、それなりの理由があるのです。
非常に鮮度が早く、味も落ちやすい!という弱点
サバ科の魚全般に言えることですが、特にこのヒラソウダは鮮度落ちが早く、味の劣化が激しく早い。
放っておくとすぐに雑味が出てくる・・
元々暖かい海での水揚げが多く、痛みも早い。
「カツオ」と違い、狙って獲るわけではないので水揚げ後の処理・流通も弱い。

これまでは鮮度の良い、本来の味わいを発揮できるヒラソウダはほとんど入荷してきませんでした。
なので大阪ではこの魚の本当の美味しさを知る人は少なく、知名度も人気も低いというわけです。
しかし土佐清水直送便ではすべての問題が解決されています!
さかな仕入れ屋が扱うヒラソウダは全て土佐清水からの直送便。

土佐清水港は漁場と港が非常に近く、鮮度抜群の魚が水揚げされています。その上昼にセリがあって、そこで買い付けた魚が翌朝には届く!
しかも!
1尾1尾丁寧に活け〆処理後きちんと冷やし込みされたもの!
鮮度がいい上に、水揚げ後の処理もしっかりしているので非常に状態がいい!
通常の市場流通ではほとんど食べられない、最高のヒラソウダが味わえます!
そして最近ではこの魚の美味しさが見直されてきたのか
こちら11月、京都から直送のヒラソウダ!
定置網の活け〆直送で、鮮度抜群。
そして最高の脂のり!
今の所値段は安いですが、今後急騰する可能性もありますね!
おすすめの食べ方は「たたき」
鮮度の良いカツオと言えばこの料理。
ヒラソウダも同様に「タタキ」にするのが定番中の定番で、しかも一番美味しい食べ方。
この画像のように最高鮮度で脂ののった物なら、塩で食べるのもおすすめ。
大阪でカツオたたきと言えば、皮目を炙ったものを切りつけて、薬味とポン酢を添えるのが一般的。

ですが、ポン酢を使う場合、ヒラソウダはこの食べ方より本場「土佐流」の方がおすすめです。
作り方は簡単!
皮目を炙ったヒラソウダを切りつけて、割りポン酢(ポン酢+白だし)と薬味を合わせた地に数時間漬込むだけ。
漬込むことで身色は悪くなりますが、余分な水分が抜けてより旨味を楽しめます。

鮮度落ちも遅くなるので、漬けた翌日でもめっちゃ美味しい。
かつおたたきの薬味
大根おろし・刻み葱・おろし生姜・おろしにんにく・紅立・刻み大葉・刻みミョウガ・煎り胡麻・ごま油を混ぜる。
また、頭やカマには以外と身があるので、塩焼きや煮付けにしたり。
いい出汁が出るので、クズ身と共に味噌汁なんかも美味しいです!
近縁種の「マルソウダ」について
まずはヒラソウダとマルソウダの見分け方
慣れていれば体型でそれと見分けがつきます。
決定的に違って分かりやすいのが「ウロコの付き方」
ヒラソウダが体の前半部分にしかウロコが無いのに対し、マルソウダは体の後半までウロコが伸びています。

まず見分け方から紹介したのは「マルソウダは食中毒を起こす」と言われているから!
と言っても、マルソウダに毒があるわけではありません。
マルソウダには非常に血合いが多く、その分ヒスチジンが多く含まれているのです。

ヒスチジンが分解されるとヒスタミンになり、蕁麻疹などのアレルギーを誘発します。
要はサバで食中毒を起こすのと似た感じ。
さらに温かい海で獲れる魚なので、分解速度も速くヒスタミンが急速に増える。
なので「マルソウダは食中毒を起こす」と言われているのです。
裏を返せば、「ヒスタミンが増える前に食べてしまえば食中毒は起こらない」ということになります。
なので釣りたてをすぐ血抜きして、氷で冷やし込んだものは生食可!

ということは、産地では、あるいは自分で釣った場合はマルソウダの生食も可能でしょう!しかしもしこちらの市場でマルソウダを見かけても生食は避ける方がいいでしょうね。ちなみに一度増えたヒスタミンは加熱しても分解されません。