味の評価とおすすめ度:★★★★☆4.2
貝柱を食べるのでホタテと比較されることが多い。
甘味はホタテに一歩譲るものの、食感・味の深みなどタイラギを好む方も多い。
価格・産地・呼び方など
市場には香川など瀬戸内と愛知など東海地方の物が多い。
小さいもので1枚250円~大きいもので800円ほど。
市場ではほとんどの方は「たいらぎ」と呼ぶ。
「たいらぎ」を漢字で書くと?
平貝?!
ブッブー!
正解は「玉珧」
いわゆる難読漢字ですね・・・
この貝を「たいらがい」と呼ぶ人は少なく、市場でも「たいらぎ」と呼ぶ方がほとんど。
みなさん「平貝」で「たいらぎ」って読むと思っているはず!?
漢字的には不正解かもしれません。
しかし慣習的には平貝=たいらぎでいい気がしますがどうでしょう?!
同じ「貝柱を食べる貝」としてホタテと比較される貝
寿司ネタで「貝柱」と言えば?
多くの方は「ほたて」を思い浮かべるのではないでしょうか?
それはおそらくホタテの方がメジャーで簡単に手に入りやすいからでは?!
決してタイラギよりホタテの方が美味しいからではない。
ホタテ・タイラギはどちらも個性があって似ても似つかぬもの。どっちもめっちゃ美味しい貝なんです。
ホタテ貝の味の特徴はなんと言っても「甘さ」と「柔らかさ」でしょう。
刺身にして甘く、バター焼きなど加熱料理ではさらに甘味が引き立つ。
それに対してタイラギの味の特徴は「しっかりした食感」と「旨味の複雑さ」
甘味ではホタテに一歩譲るものの、風味があり旨味の部分にかすかな渋み。
これがタイラギの味わいを複雑なものにし高級感を感じさせるのです!
食感はしっかりとして心地いいですが、加熱しすぎると固くしまってしまいます。
タイラギは特にさっと炙ったり加熱した方が、甘味が引き立ち風味も増してさらに美味しいです!さっと短時間で調理してしまいましょう。
タイラギの料理例
タイラギの刺身(半分)
貝柱をスライスして半分はさっと炙ってご提供しました。食感や味・風味の違いを楽しみながら召し上がっていただきます。
タイラギのバター焼き(半分)
貝柱とひもや足をいっしょにバター焼きにしました。七分くらい火を通したら後は余熱でいい感じ。バターの風味とタイラギの相性は最高です!
タイラギを食べつくす!ひもや足も立派な食材です。
タイラギはな、貝柱だけ食べれるんや!他は食べられへんからほってまい。
昔はそう教えられたものでした。
何でも過去にタイラギの内臓で食中毒が頻発したそうで・・・
あまり流通状態も良くなかったんでしょうね~
タイラギはヒモが美味いんや!サッと洗って生のまま刻んでポン酢が最高!俺らの地元では「じゅご」って言うてめっちゃ人気やで~
新鮮なタイラギであれば、ヒモも足も立派な食材として使えます。
「ちょっとぬめりが残ってる方が美味しい!」
という方もいらっしゃいますが、貝の粘液には菌が潜んでいることが多いです。
塩でもんでしっかりとぬめりを落としましょう。
それでも生のままで提供するのに抵抗がある方は、ぬめりを落とした後さっとゆがくといいですね。ひもも足も食材として魅力的なのでほってしまうのはもったいない!
タイラギのさばき方
タイラギをさばくの初めて~という方用です。
このように足糸が出てる場合は引っ張って抜いておきましょう。
まずは途中までさばいた画像を見て貝柱の位置を確認してください。
このようにタイラギには大小2つの貝柱があります。
①まずは片側の貝殻からこの2つの貝柱を外して貝を開きます。
殻が大きい場合、通常の貝割りでは届かず、無理に手を入れると殻の縁で手を切ることもあるので注意してください。
ステーキナイフとかヘラとか長い得物を使いましょう。
片側外して開くとこんな感じ
高確率で「カクレエビ」が潜んでいます。
殻が硬いですが唐揚げなどで食べることもできます。
⓶もう片方の殻を外す前に内臓を外しておきます。
この時大きい方の貝柱についてる「薄膜」もいっしょに取り除いておきましょう。
内臓を外すと、貝柱の位置を確認した初めの画像(↑)のようになります。
③外した方の貝殻を使ってもう片方の貝殻から貝柱を外します。
もちろん外す道具は何でもいいです。でも貝殻使うとめっちゃキレイに外せる気がします。
外した貝柱は氷水に落として〆ておきましょう。
全部分解して掃除するとこんな感じ。
この中で肝だけは提供していません。
「肝も濃厚で美味しい!」という方もいますが・・・
他の貝の肝と比較してもお世辞にも美味しいとは言えないと思います。なんか味気ないですよね?!
その上、時に舌を刺すような刺激を感じることがあるんです。
なので無理にお客様に提供するようなものではないかと。
どうしても使いたい!という時はしばらく塩を当てて水気を抜いてから使うといいです。
他に小さい貝柱が3つあるように見えますが、このうち2つは「足」とつながっていたもの。
ひっくり返すとこんなん。
ほんの少し「イガ」っとする食感がありますがまるで気にならない程度。
肝以外はぬめりを取ってさっとゆがいておきます。刺身に添えてよし、刻んでポン酢をかけて提供するもよし、バター炒めに利用するもよし。食感も良い優良食材です!