味・おすすめ度:★★★★☆3.7
ハタ科の魚の中では安く一見使い勝手はいい。
ただし旨味にやや欠け、料理法に工夫が必要になる場合も。
価格・産地・呼び方など
k1500~2300前後、他のハタ科の魚に比べ非常に安いことが多い。
こちらの市場ではもっぱら「キアラ」と呼ぶ。
本名である「アオハタ」は名前すら知らない人も多い。
・ハタ科の中でもコスパ最高!
・刺身が絶品です!
ネットを見てると非常に評価の高いこの魚。
しかもハタ科の中でも価格が低く超お買い得!みたいな・・・
しかし私の評価は低めです。あくまで他のハタ科の魚と比べてという意味でですが!
もちろん魚の個体差があることも、味に関しては食べる人の個人差もあることをご理解ください。
キアラは刺身にしてやや水っぽく、寝ぼけたように感じる。
絶品!と評価される「鍋」にすると、もっとそれが分かりやすくなります。
ハタ科の魚は加熱するとキュッとしまって地鶏のような食感になると例えられます。
同じハタ科のシモフリハタやスジアラの地鶏感を100とするなら、キアラは50がいい所。
そして決定的に旨味が違います。(あくまでも「比較すると」ですよ)
脂がある無しに関係なく、身自体が持ってる美味さに大きな差。
キアラにもハタ科特有の旨味はありますが薄く、そして「はかない」。(あくまでも「比較すると」ですよ)
スジアラなどは味わうほどに甘味・旨味がこみ上げてくるのに!
キアラは味の「深み」にかけるので、唐揚げなど油のコクを足してあげる料理にむきます。
キアラ単体で見れば美味しい魚ではあります。
しかし他の高級なハタには敵いません。
それを
他の高級ハタと同様の美味しさ!しかも値段が安い!
と販売しているサイトがあるんですよね・・・(しかも結構高いし)
安いのには安いなりの理由があるのでは?と良心に問いたい。
念を押すようですが、キアラは決してまずい魚ではありません。
間違いなく「美味しい」部類に入る魚。
そしてハタ科の中で安いと言っても、結構な高級品。
「クエなどの高級ハタと同じ」とはおすすめはできませんが、キアラはキアラとして十分おすすめに値する魚だと思います。
全身黄色いのに学名「アオハタ」とはこれ如何に?
この魚には唯一にして最大の謎があります。
それは全身黄色いのに本名「アオハタ」ということ・・・
くちびるから
尻尾の先まで真っ黄色!
まあ、だいたいこういう時は、泳いでるときは青いけど、水揚げされたら黄色く変化するみたいな。
普通に黄色いやん。
青の要素0。
とある水族館の方が言うには「水中では目が青いからでは?!」とか。
他にも「泳いでいる時はヒレが青い」なんて記述もあります。
しかしどの説も決定打にかけますねぇ~
アオハタという学名はシーボルト先生の標本に基づいているらしいということ。
なのでそのお抱え絵師である川原慶賀さんの写生図を見れば何か分かるのでは?
と思いましたが・・・
※このイラストは川原慶賀さんの物ではありません。
「やっぱりアオハタは黄色かった」
色々調べても結局何もわかりませんでした。
分ったのはアヲハタジャムのアヲハタは「青旗」で、フェアプレーの象徴だということくらい。
こちらの市場で「アオハタ」って言ってもほとんど通じないし、もういいです・・・そういえば僕のおばあちゃんも緑のこと青って言ってたなぁと、そんな雰囲気で調査終了。