味の評価とおすすめ度:★★★★☆4.7
「毛蟹の偽物」なんて扱いはナンセンス!?
非常に美味しい上に安い。
小さいものは扱いにくいが大きいものはかなりおすすめ。
価格・産地・呼び方など
市場には宮城・青森からはトゲクリガニ、北海道からはクリガニが入荷する。
みんな特に区別することなく「クリガニ」と呼ぶことが多い。
毛蟹がk4000前後に対しk1300くらいと非常に安い。
一般的にはあまり知られていないクリガニ。
ですが
クリガニってどんな蟹?
「毛蟹にそっくりな蟹です!」
とその特徴を伝えるのはすごく簡単。
毛蟹とクリガニを比較してみると
↑毛蟹
↑クリガニ
そっくりとまでは言えないかもしれませんが、非常によく似ています。
しかし全然違うのは「値段」
今や超高級品である毛蟹に対し、クリガニは安い。
値段の差はなんと3~4倍!いやそれ以上になることも!
それだけ毛蟹の方がめっちゃ美味しいんでしょ!?
と思われがちですが・・・
もちろん好みの問題はありますが、僕はそこまで差があるとは思えません。間違いなく値段の差ほどには、美味しさに差が無いことは断言できます。
身詰まりよくプリップリ。
キメ細かく繊細でありながらもしっかりと旨味と甘味。
毛蟹のアイデンティティ(言葉の使い方合ってる?)である蟹味噌でさえも、大きな差があるわけではない。
クリガニは決して「毛蟹の偽物」なんかではなく、安く美味しい蟹としてしっかりとおすすめできる商品なのです。
ちなみに蟹味噌は「味噌」と名が付きますが脳味噌ではなく「中腸線」。人間でいう肝臓・膵臓に当たります。栄養をため込むので脱皮や産卵などで、栄養を大きく使った後は蟹味噌の味も落ちます。
栗蟹など肉食の蟹の蟹味噌は黄色っぽいですが、ずわい蟹など海藻を食べる蟹の蟹味噌は緑色っぽいです。
こんなに美味しいのに!なんでクリガニは安いんでしょう???
ここからは私のただの推測です。
毛蟹に匹敵するような、時にはそれを超えるような大きなクリガニがこちらの市場のに入荷し出したのはほんの数年前から。
それまでは
5kgで25尾入り以上とかの小さなものがほとんど。
ただでさえ身肉の少ない印象のクリガニ。
こんなちっさい蟹のどこ食べんねん!?こんなん売れへんわ!
とまあこんな感じで、入荷するたびに仲買さんが売り先に困っていた印象です。
売れ残り・・・叩き売り・・・ひどい時には廃棄・・・
クリガニだけは安くてもいらん
そんな雰囲気が市場中に漂っていました。
その名残がいまだにあるのではないでしょうか?
もちろんいまだに小さなクリガニも多々入荷あります。
それは非常に安く買えるのですが・・・
どさくさ紛れに、こんな立派なクリガニ(画像はトゲクリガニ)まで安く買えるんです!
しかしながら現状はあまりにもクリガニの評価が低いです。あまりに安すぎる!年々美味しさが知られるようになってきたので近いうちに価格高騰すると思いますよ~
小さなクリガニでも「これは買い!」
みなさんご存知でしょうか?
市場に出回る毛蟹は全部オスやで~
資源確保のため毛蟹のメスは全面的に禁漁。
それに比べクリガニにはそんな規制はありません。
ということは!
メスのクリガニなら内子が楽しめる♪
この時ばかりは小さくても蟹味噌と内子だけでも十分値打アリ!
小さなクリガニでも「メス」を狙って買うならいいですね。ビックリするくらい安く買えちゃうかも!
毛蟹以上にクリガニとそっくりな蟹がいます!
「クリガニとそっくり」と言うか、そもそも区別すらしていない方が多いのではないでしょうか?
それが先ほども登場しましたこちらの
↑トゲクリガニ
比較するために「クリガニ」の画像をご覧いただくと
若干甲羅の色が違いますが、見た目はほとんどいっしょです。
見た目だけではなく味もほとんど変わりません。なのでまとめて「クリガニ」と呼んでいいと思います。実際こちらの市場ではこれを区別して売ってる方はいません。
でもどうしても気になる!メニューには正確な商品名を書きたいねん!
という方のために
クリガニとトゲクリガニの見分け方
①甲羅の目と目の間のトゲの大きさを見る。
目と目の間の4つのトゲが全部同じ大きさなら「クリガニ」
真ん中の2つのトゲが小さければ「トゲクリガニ」
有名な見分け方ですがめっちゃ微妙な感じ。ちょっと毛が生えてて余計見にくいし。
これは分かりにくいんで次いきましょう。
⓶産地で分ける。
産地が北海道(主に根室)なら「クリガニ」
宮城や青森なら「トゲクリガニ」
これでほぼ間違いないです。
③生の状態なら
甲羅の色の違いからも見分けがつきます。
でも塩ゆですると・・・
全然わからんです。
産地で見分けるのが一番簡単で確実ですね~
クリガニのゆで方
蟹を美味しくゆでるための第一歩は蟹選びから。
蟹は活きているものか、活け〆してすぐの物を使いましょう。
また脚の外れていない、いわゆる「成体」の蟹を選びます。
脚が外れているものをゆでると身の旨味や風味が抜けやすくなります。その時は蒸し蟹や焼き蟹にするといいですね。また成体であってもゆでてる途中で脚が外れないようにしないといけません。
一番簡単で一番確実な塩ゆでの仕方
- 蟹がすっぽり入る大きさの鍋に、3.5~4%(水1ℓに対し塩35~40g)の塩水を入れて火にかけておく。
- たわしなどを使って蟹を真水で洗う。活きている蟹の場合は氷水に10分ほど入れて弱らせる。
- 塩水が沸騰したら甲羅を下にして蟹を入れる。
- 再び沸騰してから落し蓋をし15分を目安にゆがく。
- ザルにあけ甲羅を下にして濡れふきんをかぶせて冷ます。
蟹をゆがくときは水からって教えてもらったんですけど・・・間違ってるんですか?
間違ってないと思います!僕も自分でゆがくときは水からゆがいてます。
先ほど「一番簡単なゆがき方」として「湯から」と紹介しました。
それは水からゆがくのは、ゆで時間の調整が少しだけ難しいからです。
ゆで時間は「湯が沸いてから」計ります。
水からゆがくと当然沸くまで時間がかかりますし、今か今かと鍋の前で見張っておかないといけません。(他の作業しながらだと問題ないですね)
また沸く前からじわりじわりと火が通っているので、湯からゆがくときより若干ゆで時間を短くします。(蟹も大きさにもよりますが13~14分を目安)
ちょっと経験と勘によるところもあるんやね。それやったら湯からゆがく方が絶対ええやん!
それがそうとも言い切れない!
車海老とかもそうやけど、水からゆっくり火を通していった方が身に甘味が出るねんで~
これは蟹を冷ますときにも同じこと。
氷水などで急冷すると身は引き締ましまりますが、ゆっくり冷ましたものより甘味が落ちると言われています。
湯から・水から、氷に落とす・ゆっくり冷ますなど、それぞれの方法にそれぞれの長所短所があります。
それを理解して「ゆであがりをどのように仕上げたいのか」をイメージしておけば、どの方法も間違いとは言えないですね。
色んな方法を試してみて、自分に合ったゆがき方を見つけるといいですね!