味・おすすめ度:★★★★☆4.4
特にメスは産卵前後で急激に身質が悪くなるのでちょい低めの評価。
特に活けの薄造りは人気も高い。
夏のイメージが強いが産地によって子持ちには注意。
価格・産地・呼び方など
この魚を買うのは活けであることが大前提。
淡路・大分など幅広く入荷するが、○媛の物は避けている。
市場ではマゴチとヨシノゴチがほぼ混同されて売られている。
『夏のふぐ』などともてはやされることの多い魚!
でも実際は産地によっては初夏~夏にかけて産卵のため子が大きくなり、身が弱く味の落ちるものがいるので注意が必要です。
『夏の魚』というイメージが強いので、子がパンパンでも結構な高値!ついつい買ってしまうと絶対後悔します。
産卵期は本当に気を付けて買わないと、高いのにハズレを引いちゃいますよ!
こちらは7月に入荷の泉州のもの。
大きさからして全てオス。
この産地は産卵期が早いのか?すでにしっかりと肥えてます。
身質も良く旨味もたっぷりで、これこそ『夏のふぐ』の名にふさわしい!
大きい「こち」は全てメス!
こちは満2歳ごろ(約35cm)までは全てがオス。40cmを超えるぐらいからメスに性転換します。
なので、大きく立派なこちは全てメスということになります。
4~6月頃になると一見めっちゃ肥えて大きくて美味しそうに見える物が入荷することが多いです。
もちろん全てメス。
産卵期なので、子が大きくなっていると身が弱いので注意が必要です。
「白こち」と「黒こち」って何?どっちが旨い!?
一般的に「こち」と言えば「まごち」を指しますが、よく似た魚に「よしのごち」という魚がいます。
画像下が「まごち」上が「よしのごち」です。
黒っぽい「まごち」に対し「よしのごち」は色が薄く丸い斑紋があるのが特徴。
一般的には「まごち=黒こち」「よしのごち=白こち」と呼ばれています。
見た目ちょっとちゃうだけで、ほとんどいっしょやから区別せんと「こち」で売ってるで~
一般的には「黒の方が旨い」とされていますが、「白」も充分に美味しい!白黒どっちを選ぶかより、その時の魚体や子の成熟具合を見て目利きするのがいいですよ。
「こち」を買うときにはちょっと注意が必要です!
注意1:子が大きくなると急激に身質が弱くなる
こちの入荷が多いのは4~6月。そのころはちょうど産卵期にあたり、大きな子を持った立派な魚が数多く並びます。
何度も言いますが、これがコチの目利きでこれが一番のポイント!
よく肥えているものでも腹の子が大きいと、身質が弱くフワフワとしまりやすい。
味自体もぼけた感じの物が多くなります。
2kgを超えるようなコチは非常に高値で 取引されますが、全てメスなので子がどれくらい成長しているかに注意が必要です!
こちらの市場には4~6月ごろに子をしっかり持った愛媛あたりの「こち」が頻繁に入荷します。
本当によく肥えてるのですが十中八九、身質が弱い・・・
無難に買うなら小さめのオス。
オスは産卵の影響を受けにくく、小さいのでかなり安値で買える事もあります。
注意2:産地に注意!
時期によるものなのか?食べてるエサによるものなのか?まれに身に泥臭さを感じる個体があります。
一度こういう個体に出くわしたら、その年は同じ産地の物は買わないです。砂に潜る魚なので環境の影響を受けやすいんでしょうか。
実は過去に毎年何度も買って、何度も試食しても、いつも同じ嫌な味のする産地があるので、そこの「こち」だけはずっと買っていません・・・愛媛産なんですねどね
買うなら断然「活け」薄造りは絶品!
活け物と野締めのコチの値段は雲泥の差!月とスッポン。
それでも買うなら「活け」をおすすめします。小さなオスのコチならめっちゃ安く買えることもありますしね。
活け〆した「こち」の薄造りは「てっさがわり」と称されるほどに美味。
暑い日にはさっぱりと「梅ポン酢」などで提供すると喜ばれます。
それ以外にも皮目を炙ったり、湯引きにしたり。
皮目に非常に風味があって美味しいんです!
忘れていけないのが「ほっぺ」の肉。
「伝説の食材」「最高の珍味」と評されるほどの極上部位!
しかし!極少量しか取れないのでこれだけを料理することはないでしょう。
ひとつの方法として腹骨付近の肉も全てカマにつけて、頭ごと塩焼きや煮付けにするとそれなりに逸品料理となります。
刺身用の上身の処理もやりやすくなるので一石二鳥!しかしただでさえ悪い刺身の歩留りは恐ろしく悪くなる((((;゚Д゚))))。お安い時にはぜひお試しください。
マゴチの実際の入荷状況
2023-7先週直送もの!ここのコチはいつが産卵期??
しっかりふっくら肥えた上物のコチ。
『夏のふぐ』と呼ばれるのもうなずけるほど!
特にメスのコチは産卵期を避けて買うのがセオリーですが・・・この産地4月ごろからずっと追いかけてますが、「いつ産卵やったん??」というくらいに子の大きな物が少なかった気がします。
ちなみにこちらは4月に入荷の泉州コチ。
この頃は警戒心が高く、大きなメスをずっと避けて買っていたので検証できないですが、そこまで腹がパンパンになっているものは見かけなかった気がします。
どうなってるんでしょうか?
2021-11淡路産というだけですでに美味しそう!ふっくら肥えたいいコチです
11月淡路より入荷の約1kg前後の物。
子を持っていない、産卵からしっかりと回復した魚体。
ふっくら肥えてめっちゃ美味しそう!
琥珀色した最高の身質!
やっぱり薄造りがこの魚の持ち味を存分に味わえます。