
穴子は臭いから苦手やねん
という方!それはおそらく中国や韓国などで加工された開き穴子や、煮穴子を食べたのではないでしょうか?!
一部の回転寿司屋さんや居酒屋さんではそういう穴子を使っています。
確かにこれは食べられたものではありません・・・
刺激臭ともいえる臭みに、ひどいものは舌を突き刺すピリピリ感。

市場で仕入れるのは、泳いでいるものを活け〆してすぐの物と、開き穴子でも国内加工の物だけです。
臭みやピリピリ感なんて一切ない。
あるのは濃厚な旨味と甘味。
「穴子が苦手」という方にこそ、本物の味をぜひ一度食べていただきたい!

穴子ってこんなに美味しかったん!
と喜ばれること間違いなし!
あなごを美味しく食べるには活け〆~下処理がとても大切
穴子の血液と粘液には「毒」があります。
とは言え、きちんと処理すれば全く問題ありません。
まずは活け〆してから、しっかりと血抜き処理しておくこと。
またぬめりには毒があるだけではなく、臭みの原因ともなるのでしつこいくらいにしっかり落としましょう。
塩や酢を使えばより確実にぬめりを落とすことができます。
きちんと活け〆~血抜き~下処理したものは生食できます。
「穴子は刺身にできない」と言われますが、しっかりと血抜きしたものは刺身可。
三枚におろしたのち皮を引いたもの。
この上身を皮目を上、頭を右に置き、尻尾の方から薄くそぎ造りにしていけば、自然と骨が切れます。
そのまま薄造りとして提供するか、氷水に落とし「洗い」として提供するのもいいですね。
こちらは処理した穴子をおろし、骨切した後に、身→皮目の順にバーナーで炙ったもの。
皮から炙ってしまうと大きく縮むので、炙りにくくなります。

ひと口大に切って提供する「焼き霜造り」が大好評!皮を炙った風味がとてもよく、それに負けないほどの濃厚な旨味と甘味。わさび醤油の他、黄身醤油がとてもよくあいます。
骨切したものを鱧のように「落とし」ても美味しい。
夏はさっぱり梅肉で提供するのが定番です。
なんだか一年中市場にあるような気がする・・・
ほとんどの産地で劇的に脂がのるのは冬場。
ですが一応春~夏が旬と言われる魚。
特に夏に入荷が多く、天然魚が全く並んでいない日でも「鱧とたこと穴子だけある!」ことも多い。
産地としては山口・鳥取・淡路・宮城と南北に様々。
なのであまり途切れることなく、どこかしらか入荷があるイメージ。

穴子はほんの少し漁場が変わるだけで全然味がちゃうんやで!
と教えてもらったように、産地というより個体で脂のりや味わいに差がある。
産地にこだわるよりも、目の前の魚の目利きをしっかりするべき魚です。