味・おすすめ度:★★★★★5.0
秋から翌春にかけては非常に脂がのるし味もいい。
ただ産地から引っ張ると、通常の倍以上の価格になることも。
市場に良いものが入荷するのをそっと待つのが吉
価格・産地・呼び方など
本名は「スマ」だが、こちらの市場ではあまり通用せず。
もっぱら「ヤイトガツオ」を使う人が多い。
長崎・鹿児島・土佐清水便からの入荷が多い。
通常k1300~1800だが、時にまとまるとk1000前後まで落ち着く。
注文で引っ張るならk2500くらいは覚悟しておいた方がいい。
「○○カツオ」と呼ばれる魚の中では最高級で人気も高い。
人気の秘密はもちっとした食感に、強い旨味。
そして何と言っても「トロ」のような脂のり!
「カツオ」のように大きな群れを作らない魚。なので入荷量が少ないのも高級化に拍車をかけています。
秋の深まりとともに脂のりがよくなる傾向にあり
こちらは9月入荷の土佐清水のヤイトガツオ
適度に肥えた印象の良い魚体。
例によって活け〆な上、夕方セリ後すぐの出荷で鮮度抜群!
鮮度感あふれる身質と身色に、皮目にしっかりと脂があります。
新鮮でもちっとした赤身の旨味に、皮目の脂と香ばしさが加わる絶品魚でした!
そしてどんどん気温は下がり、もう冬も間近という頃。
こちらは11月に入荷の長崎のヤイトガツオ。
あまりの肥え方に驚いた記憶がある。
まるでラグビーボール!
養殖?!と見間違うほどの脂のりで全身がトロ。
脂のりだけではなく、身の味自体もすごくいいので人気があって当たり前!
定番的な刺身やタタキだけではなく、加熱料理も身がしまることを考慮しても非常に旨い!
頭やカマにも意外と身があるので煮付けや焼き物に。
中骨に付いた身をこそいで味噌汁にすると素晴らしい出汁が出ます。
ヤイト「ガツオ」と呼ばれますが・・・
お腹に「灸(やいと)」のような黒い斑紋があるからヤイトガツオ。
「スマ」?!スマって何や?これはヤイトガツオやで!!
っていうくらい、こちらの市場ではスマがあまり通じず、ヤイトガツオの方が通っています。
そして多くの方が勘違いしているであろうこと
一般的にはカツオ・ヤイトガツオ・ハガツオ・ソウダガツオは全てカツオの仲間だと思われがち。
ですが学術的な分類上は上記の魚は全て別種の魚。
大袈裟に言えば、サバとカツオくらい違うということになります。
とは言えこれは知識として軽く頭に入れておくくらいがいいです。
飲食店という立場では左の図が正しい感覚ではないでしょうか。
「おまかせで5種類刺身用の魚」という注文で、私がマグロ・カツオ・ヤイトガツオ・ハガツオ・ソウダガツオを納品したら、ただの嫌がらせでしょ。「お刺身の5種盛です!」ってこれ提供したら間違いなく「全部カツオやんけ!」とシバかれますよ。
だから市場に複数種の「○○カツオ」が入荷していても買えるのは1種だけ。
産直で送られてきた中に高い「○○カツオ」が入っていると、市場流通で安くて美味しそうな別の「○○カツオ」が入荷していても買えないんです。
脂がのって美味しくなる時期がかぶっているので、頻繁に起きる事件。「他所の魚屋さんにもっと安い○○カツオ売ってたで~」という時はこんな事情があることをご理解くださいませませ。
よく似た魚・・・ヒラソウダとの見分け方
並べてみてもそっくり!
その見分け方とは?!
まずはヤイトガツオ
胸鰭の下に黒い斑紋。
これが灸(やいと)の跡みたいに見えるのでヤイトガツオと呼ばれています。
背の後方がパッと明るくなって縞模様が見えるのも特徴的。
続いてヒラソウダ
灸(やいと)の跡は無いし、背中の模様はムニャムニャした感じ。
結構わかりやすいやん!
じゃあこれは?
灸(やいと)が無いからヒラソウダ!
ブッブー―!ヤイトガツオで~す。
背中が縞模様でしょ。
続いてドン
また灸(やいと)が無いですね。でも背が縞模様に見えるから・・・またヤイトガツオ?!
ブッブー―!これはヒラソウダ。
なんか背中の模様に個体差があるのでちょっとややこしいでしょ。確実な見分け方のひとつは「ウロコ」ヤイトガツオは胸鰭の周りにだけあって、ヒラソウダは細~く続いていってます。他に「背ビレの形」を見るのも確実です。
↑ヤイトガツオの背ビレは、後方に向かって長く続いていきますが
↑ヒラソウダの背ビレはこんな感じ。
ヒラソウダは小さいものならk700円程度。
大きく良く肥えたものでもk1200円程度とめちゃ安!
対してヤイトガツオは大きな物ならk3500円とかする超高級魚。
ヤイトガツオかと思って高値で買ったら、実はヒラソウダだった!
なんてことのないようお気を付けください。
売り場では箱に書いてあることが多いので、ないと思いますが
実際の入荷状況
2023-12 同じ産地・同じ箱のヤイトガツオなのに・・・
全く同じ日に同じ産地から来た、同じ箱に入ったヤイトガツオですが
脂のりに雲泥の差!
これは怖い!
多少痩せて見えるものでもしっかり脂あることあるのに、この差は何なのか?!
2022-11「トロ」です!小さいけれどスゴイ脂!
長崎から入荷のラグビーボールみたいに肥えたヤイトガツオ。
2kg以上の物がk3000する中、1.4kgのこれはなんとk900!!!!
皮目の脂がすごい!
炙るとテカテカ。
トロですね!
今年はまとまって獲れてるのでめちゃくちゃ安いです!大きな物は高いですが、このくらいお大きさで十分です!お客様にもめっちゃ喜んでもらえますよ~
その後日舞鶴からさらに小さなやいとがつおが入荷。
一本500gくらい・・・・
さすがにここまで小さくなると脂はのっていませんでした。でも同じくらいの大きさのヒラソウダは比較的脂がありますね。
2022-9末~そろそろいいんじゃないですか!小さいけど好印象なスマ
今日も長崎から。
大きさ的には1.2kg~1.7kgと小さめ。
ですが、魚体の肥え方というか雰囲気が前回とはガラリと変わっています。
約8kgに6入りという規格で入荷。中には痩せたもの、身のゆるいもの混じってましたが複数の箱から良いもの厳選させてもらえました!水揚げ後の処理が多少甘いですが、水温も気温も下がってるので身質も悪くないです。
大きさの割には皮目にしっかりと脂!
赤身もきれいで旨味も甘味もしっかりしています!
これでk900は破格値!
他の産地でこれより小さなものがk1500で出てましたが、値段ほど差はないと思います。
2022-8長崎より激安ヤイトガツオ来てました
大きさは2kg台。
この魚としてはギリギリ合格点。
めっちゃ肥えているように見えますが・・・・
実はかなり大きな子が入っていました。
脂はそこそこありましたが、産卵寸前&鮮度的な問題もあり身はゆるめ。
あんまり美味しそうに見えなかったので今回もスル~♪
kg単価1100円。めっちゃ安かったんですねどね~
2022-7さすがに買わんかった・・・KUBO印のやいとがつお
「産地仲買がしっかり目利き・厳選した極上魚!」
そんな触れ込みでやってくる
team KUBOによる鹿児島の魚たち。
今日は
やいとがつお!スマですね~k2000円!
スマなので高いのは分かりますが、1kgちょっとの魚体で肥え方もなんだかなぁ~という感じ。せっかくおすすめしてもらいましたが遠慮なく断らせてもらいました。
試しに割ってみると・・・
身のキメは細かいですが水っぽく脂もほとんどありません。
買わなくてよかった~