味・おすすめ度:★★★★★4.5
やや知名度が低いのでしっかりおすすめ出来れば◎
味が良く季節感もあって価格も手頃で使いやすい食材。
価格・産地・呼び方など
世界で唯一富山湾だけシロエビ漁がある。
一般的にシロエビだが、学名はシラエビ。
春の解禁直後は値が高く1トレイ1200円前後。
その後800円前後に落ち着き、売れ残したくない時はもっと安くなることも。
白海老は意外にも駿河湾や相模湾にも生息。
しかし漁として成り立つのは富山湾のみ。
富山湾は少し沖合に出るだけで海が深くなる、世界でも特殊な海底地形。
そのおかげで、富山湾でのみ白海老がまとまって獲れるのです。
ここは海の青さが一層濃く、藍色に見えるので「藍瓶(あいがめ)」と呼ばれています。
市場に到着した白海老は乳白色に薄いピンク。
ですが水揚げしてすぐは透き通ったピンク色でキラキラ輝く。
そのことから「富山の宝石」と呼ばれ、ブリやホタルイカと共に「富山県の魚」に指定されています。
漁期は意外と長く4~11月
中でも全盛期は4~7月。
こちらの市場にも、トレイに入れられた白海老が毎日のように入荷。
しかし本格的な夏場はピタリと止まります。
禁漁ではないし、データ上では水揚げがあるにも関わらずです。
おそらく暑すぎるとすぐ傷むので「生」での流通が不可能なため、産地ですぐに冷凍・加工にしているのだと思います。
10月頃また涼しくなってくると再び「生」での入荷が始まる。
大体毎年こんなサイクルです。
白海老は「生」では全く日持ちがしません。
翌日どころか下手すれば市場到着時点で頭が黒んずんできます。
なので連日入荷が続いたり、一度に大量に入荷があると値を崩すことも・・・
料理は基本的に「揚げ物」にされることが多い海老
白海老の殻って薄くて柔らかそうに見えるでしょ。
でも煮物や釜揚げって、けっこう殻の食感が邪魔。
たまに「白海老刺身」って殻ごとドンって盛ってるの見ますが、ちょっと無理がある気が・・・
なので定番的には、かき揚げ・天ぷら・唐揚げがおすすめでしょう。
しかもすべて揚げた時に、殻が香ばしくなるように衣は薄く!
加熱され甘味が凝縮した海老の身と、殻の香ばしさとサクサク感。
「これ以上美味しい白海老の食べ方はない!」
と言いたいところですが、実は刺身が一番旨いです。
刺身は最高の美味!でも手間が・・手間がかかりすぎる
パックで剥き身にされた白海老も売られていますが、あれじゃないです。
「生」で入荷してるトレイに入れられたいつもの白海老!その殻をむくんです。
あっ・・・苦労した分美味しく感じるっていう・・あれですね。
それもあるかもしれませんが、純粋に海老としてトップ級に美味しい。
甘みが強く、とろけるような口当たりにしっかり旨味。
ただし!
白海老1トレイは約200g、1尾2~3gなので70尾~100尾入ってる計算。
刺身一人前に必要な量は約70尾。
ほぼ1トレイまるまるむいてやっと1人前。無理無理やってられません。
ちょっとつまみ食いで楽しむくらいならいいですけどね~
飲食店でメニューに載せるのは止めておいた方でいいです。
どうしても刺身で食べたいねん!
って・・お客様にねだられた時のために、一応シロエビの殻のむき方もご紹介しておきます。
「冷凍してから殻をむく」というのは産地で獲れたての白海老をむくとき。
市場に来るシロエビは乳白色になっていて、冷凍しなくてもむけます。
ちなみに、すでにむき身にされているものや、長時間冷凍したものは味が落ちます。
まずはこのように頭と尻尾を持って、ロビンマスクのタワーブリッジのようにのけぞらせてあげましょう。
この10月に入荷の白海老は抱卵しています。
卵を味わうには刺身にするしかない!
頭と尻尾の両側から、キュッと優しくつまむように押し出します。
チュルンと出てきたところ、足が残っていれば取り除きましょう。
頭の中に頭肉が残りますが、そちらは口で吸いだして美味しくいただいてください。
いっちょあがり!意外と簡単にむけます。
シロエビの料理・レシピ
白海老かき揚げ
季節の野菜とともにかき揚げに。
シンプルですがこれが一番美味しいのでは?
衣はできるだけ薄く、殻をしっかり香ばしく揚げるのがコツ。ちょっといい塩とすだちを添えました!