味・おすすめ度:★★★★★5.0
最近鮮度が良く、よく肥えたものの入荷が多いので一気に評価が上がっている。
刺身は人を虜にする美味しさ!
価格・産地・呼び方など
北海道からの入荷が目立つ。
鮮度よく大きさも立派なものでも尾300~400円と非常に安い。
ただし市場での売れ残りも多く、鮮度チェックは必須。
かつてニシン漁は小樽の経済基盤を作り上げるほどの大きな産業でした。
全盛期である明治時代に築かれた贅の限りを尽くした「ニシン御殿」は今も残り、国の登録有形文化財に指定されています。
それが昭和30年頃には「幻の魚」と呼ばれるまでに減少してしまいます・・・
現在では北海道各地で年間200万尾以上の稚魚を放流。
漁獲規制など資源保護にも力を入れています。
漁獲量自体は全盛期には遠く及びませんが、その分鮮度と質のいいものが、こちらの市場でも楽しめるようになりました。皆さんの努力に感謝です!
北海道の春を告げる魚と言えばこの魚!
ニシンはとれる時期でそれぞれ「春ニシン」「夏ニシン」「冬ニシン」と分けられます。
中でも重要で有名なのが「春ニシン」
産卵のために北海道各地に押し寄せてくるもので、北海道では「春告げ魚」として愛されています。
ニシンは産卵場や産卵期・回遊する場所が違う、いくつかの「系群」に分かれています。
厚岸など早い所では11~12月に産卵が始まります。メインである「春ニシン」は石狩系群などで1~5月に産卵。市場へは主に1~3月に入荷してきます。
丸々と肥えた魚体!
脂がのって、腹には子や白子がたっぷり。
子は「数の子」の原料としても重要です。
ちなみに「夏ニシン」は産卵のためではなく、餌を食べるために寄ってきた系群。
たっぷりを餌を食べたものは脂のりもいいですが、市場への入荷はまれ。
今の所、通常流通ではなく産地直送でしか入荷は無いです。
鮮度の良い物はぜひ刺身で食べていただきたい!
近頃は「航空便」で市場にも非常に鮮度の良いニシンが届くようになりました。
なのでしっかりと良いものを選べば、お刺身でニシンを楽しめます。
※アニサキスには注意が必要。
青魚らしい深い旨味にとろりとした脂が甘く濃厚。
生姜醤油との相性が最高!
ただし小骨があるので、それなりに工夫が必要です。
まずは小骨の位置を確認
緑の点線が小骨の位置です。
他の魚同様、中骨のあった下には血合い骨があります。
これも他の魚に比べてちょっと多い
背側は血合い骨と平行に小骨がず~っと並びます。
腹側は腹骨をかいた下には無いですが、その後ろからこれもず~っと小骨が並びます。
他の魚に比べて最低でも3倍以上の小骨!でも頑張ったら抜けないこともない。
まな板に置いたまま骨を抜くと、小骨の位置が見にくいので、ちょっと皮の方に反らしてあげると見やすい。が、鮮度が悪いものは身割れするので注意が必要。
小骨が抜けるとは言え、全てを完璧に抜くのは至難の業。とくに尻尾に近づくにつれて抜きにくくなります。血合い骨は抜いて、他の小骨はある程度で、後は骨切する方が簡単で、身に体温が移らず鮮度を保てます。また小骨を全く抜かなくても骨切すれば何とかなります。
骨切は皮を引いてから。
まずは鱧のようにするのではない方法。
元々中骨のあった位置のすぐ横、背側と腹側に「中骨と並行方向」にそれぞれ1~2本ずつ包丁を入れます。
背・腹それぞれ、先ほどの緑の点線の位置にある小骨の外側から、小骨を断つように内側に向けて包丁を入れていきます。
その後は血合い骨が切れるように身をへぎ造りにしましょう。
※皮目上なら、尾が左になるように置けば自然と切れます。
鱧のように骨切するという手もあります。
先ほどと同じく皮を引いてから、必ず身の方から骨切り。
★クロシビカマスの場合は皮目に骨があるので皮の方から骨切しますが、ニシンの骨は全て中骨から伸びているので身の方から骨切しないと骨が切れません。
こちらの方が確実に骨切することができますが、そいで造りにできないのでぶつ切りにするしかなくなります。
ニシンを三枚におろした後の中骨は骨せんべいにするのがおすすめ。骨が柔らかくサクサク!
塩焼きや煮付けにするときは骨を切らずに。
鮮度の良いニシンは身離れがよく、中骨を外すとそこに小骨は全てくっついてきます。
塩焼の場合は身は中骨に付けたまま、皮から骨切してもいいですね!刺身にするときは身からでしたが、焼き物用は皮からでOK!中骨に当たるまでしっかりと包丁を入れましょう。みがきにしんは有名ですが、鮮魚を料理して食べたことある方が意外と少ないと感じます。
旬の時期はたっぷりと脂ののる魚。
しっかりとした旨味に特徴的な甘味が豊か。
イワシや秋刀魚にはない独特の風味がたまりません!
値段も安いのでもっともっと多くの方に食べてもらいたい魚です。
ニシンの実際の入荷状況
2024-2 最高鮮度のニシンがめっちゃ安い!もしかして・・・
よく肥えてお腹もポッコリの春ニシンらしい春ニシン。
鮮度よく刺身でもいけるのに・・・なんと1尾110円!
鮮度がいいので、薄~いウロコがびちっと貼り付いてなかなかとりにくい。
お腹を開けてみると・・・
全部白子!
それにしても美しい白子。
血抜きして塩水で浸けておきます。
20尾さばいて全て白子のオス!これ・・もしかして数の子取るためにメスを選別した残りものか?だから安いのか?でも白子も旨いのでぜんぜんOK!
白子は柔らかく湯通しするとちょっと割れますが、このままポン酢で食べても、醤油焼きや天ぷらにしても美味。
脂もしっかりあります!
これは安すぎですね・・・
2024-1 早くも登場!よく肥えた春ニシン。
最近では直送便でなくても、めっちゃいいニシンが市場に来るようになりました!
4kg7入りの特大サイズ極上ニシンが箱代2000円。1尾300円を切る価格!
腹には白子!産卵のために寄ってきた「春ニシン」であることは間違いない・・・
でも実はこの白子・・・シャーベットみたいに凍ってました!
大丈夫!間違いなく獲れたてのニシンやで!海水の塩分濃度調節して半凍りくらいになるようにして鮮度保ってんやって・・・知らんけど
バツグンの鮮度感でメッチャきれいな身です。脂のりも最高!もちろん刺身でいけます。子がいっぱい入ってたので煮付けにしてみました。