この魚の最大の特徴は背びれと尻びれから糸のように長~く伸びたヒレ。
これがこの魚の名前の由来になっていることは明白。
しかしこのヒレは成長すると短くなり、ギンガメアジやロウニンアジと似た見た目に!
成長すると見た目だけでなく味にも変化が!
幼魚の頃は上品すぎる、あるいはあっさりしすぎている感のあるこの魚。
これが2kgを超えるあたりから脂のある個体が見え始めます!
これは8月入荷、大分産5.9kgのイトヒキアジを3枚におろした後の中骨。
ひれギワや皮ぎしにしっかりと脂が見えています。
内臓にはものすごい脂玉!
血合いの部分に赤と白のストライプに脂が入る極上物!
アジに見えない!
血合いが小さく、身は美しく透き通る。
皮に近い部分には脂が少し入り込んできています。
このように上品な印象はそのままに、豊かな味わいを楽しめる魚へと成長。
こんな感じなので大きなものは結構な値が付くこともあります!でも中には大きくても脂の全くない個体もいますので、しっかり目利きは必要。
小さい時は本当に安い!k300~700くらいで普通に買えちゃいます。
加熱調理しても比較的固く締まらない魚。
なので、小さくても料理の仕方次第では使い勝手がいい。
感動的な美味しさ!とまではいきませんが・・・
ただひとつだけ気を付けなければいけないのは、極まれに臭みのある個体がいること。
時期的なものなのか?産地の問題なのか?
一昔前はあまり大きな個体が市場に入ってこず。問題の臭みのある個体に当たっていたので、あまり印象は良くなかった。しかしここ最近はハズレ無し。大きな魚体の物がいい状態で入荷するので、徐々に評価が上がっています!
イトヒキアジの実際の入荷状況
2023-4 たま~にハズレを引くので物を見るまでドキドキ!
明日イトヒキアジ行っきま~す♡
市場流通なら物が気に入らなけらば買わなければいいのですが、産直便は断れないのです!仲買さんの目利きと良心を信じるしかない!
きましたよく肥えた極上品!
体の構造上、ヒレ際が薄いので、見慣れない方からすると
これちょっと痩せてんちゃう?
と思われるかも!
この魚は身全体の肥え方で判断しないといけません。
でないとせっかくの極上品を見逃してしまうことになります。
鮮度良く透明感のある身。
一見脂が全くないように見えますが
上品さの中に深みのある味わい。食べると確かにまったりと脂感もあります。
k800円でした!味からすると非常にお値打ち!
イトヒキアジの料理・レシピ
イトヒキアジの焼き霜造り
こちら8月大分産5.9kgのイトヒキアジ。
鮮度抜群、透明感のあった身ですが、すでに白濁してきています。
きめ細かな身質で食感はねっとり&もっちりで「ねっちり」という感じ。
小さなものより明らかに身に旨味があって、脂もあります。
マアジなどとは全く違う味わいなのが面白い。
魚体が大きいので皮が分厚い!
ですが炙るとそれほど固く感じません。
また炙っても風味が強すぎず、身のねっちり感と一体となって楽しめます。
イトヒキアジの塩辛
刺身の切れ端や端肉でも作れるお酒のあて。
糸造りにした身に薄く塩を当て約1時間。
水けを拭き、塩麴(液体ではない奴)・サケの魚醤・古式醤油・熟成みりんを合わせた地に一日漬ける。
分量は塩麴をメインに魚醤と醤油で風味付け、味醂で塩辛さと甘味の調整という感じ。
このまま食べるものなので醤油は井上古式醤油など旨味のある物、味醂も福来純の三年熟成みりんを使用した。
この漬け地ならどんな魚でも塩辛にできるが、イトヒキアジのねっちり感が特に相性の良い料理です。