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【旬の魚介】磯つぶ・えぞばい~テトラミン除去不要?!【居酒屋の神】の秘密を徹底解説

いそつぶ貝 旬の魚図鑑
いそつぶ貝
いそつぶがい・えぞばいの基本情報

味・おすすめ度:★★★★★5.0
和風・洋風、本格料理から付き出しにまで、幅広く使えて味も非常にいい。
唾液腺にテトラミンを含まないので、安心して使えるのも重要なポイント。

価格・産地・呼び方など
昔に比べると、価格はかなり上がっているが、それでもk1500円前後と使いやすい。
漁獲量・年末の需要などで時にk2200円以上に跳ね上がる。
北海道以外から入荷したのは見たことなく、標準和名である「えぞばい」は市場では通用しない。


磯つぶ貝って、どんな貝なん?

磯つぶ貝=標準和名はエゾバイ。
主に北海道の太平洋側を主な生息地とするエゾバイ科の巻き貝。

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

昔は白バイ貝・真つぶみたいな高級貝のパチモン的な扱いで、粒も小さいし、安かった印象です。k6~700円位で買ってた記憶があります。

しかしこの頃は、価格的にも安定した人気を誇っています。(k1200~2000円くらい)
昔から庶民に愛され続けてきた、まさしく磯の味覚の優等生。
・その確かな美味しさ
・使い勝手の良さ
から居酒屋のお通しなどでもひっぱりだこ!
特に東京などの大消費地では、年末の需要が高まり、価格がはね上がる傾向です。

なんで「磯つぶ」って呼ばれるようになったん?

正式和名はエゾバイ。
ですが、「磯つぶ」という市場名・通称が広く浸透しています。

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

逆に「エゾバイ」って言っても誰も分からないくらいに浸透しまくってます。

エゾバイ科の貝類を総称して「ツブ貝」と呼ぶ北日本の文化。その中でも比較的浅い海=磯で獲れる種類であることから、「磯のツブ貝」という意味で呼ばれるようになったと推理する。

より大型で高価な「マツブ」などと区別。
身近で手軽に楽しめるツブ貝として親しまれてきた、愛情のこもった呼び名と言えるでしょう。

居酒屋や家庭料理で大活躍!磯つぶ貝の人気の秘密

宮崎店長
宮崎店長

付き出しを何にするか?困ったときは磯つぶ貝!僕もしょっちゅう使うのにはこんな理由がります。

理由①テトラミンの心配なし! (重要)

磯つぶ貝は、同じ「ツブ貝」の仲間である
エゾボラ属
・マツブ
・ヒメエゾボラなど
とは異なり、唾液腺に神経毒のテトラミンを含んでいません。

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

エゾボラ属の貝では、テトラミンが含まれる唾液腺(通称:アブラ)を除去しないと食中毒の危険があります!

体験者は語る(市場仲買U氏)…その恐ろしさ!

仲買
仲買

あの日のことは、今でもはっきり覚えています。まさか、いつも食べてるツブ貝で、あんなひどい目に遭うなんて…

ツブ貝をアテに、楽しくお酒を飲んでたんですよ。
「ちょっと食べすぎてるかな~」
とは思いながらも、美味しさのあまりついつい手が伸びる。

仲買
仲買

それは突然やってきました

なんか後頭部が痛くなってきたな~って思ったら、急にフワフワしてきて、ひどい船酔いをしているような感じ。
足元もフラフラしてきて、気分が悪くて、何度もトイレに・・・
視界がぼやけ始め、そのうち物が二重に見え始めたんです。

仲買
仲買

パニック!死ぬことはないと聞いてましたが…まさかこんなにしんどいとは

人によっては、口の周りが軽くしびれる感じになることも。
症状は非常に強烈ですが、テトラミンは体内で比較的早く分解・排出されます。
それでも点滴しながら数時間は苦しむことに。

テトラミンは加熱しても毒性は分解されません。
調理の前に、内臓の近くにある乳白色~淡黄色をした唾液腺を確実に取り除くことが唯一の予防法なのです。

磯つぶ貝は基本的にこの除去の手間がないため、丸ごと煮たり茹でたり調理できるのが最大の利点と言えます。

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

ついでなので他の貝もテトラミンの有無を確認しておきましょう

【テトラミン含有が確認されている主な種類】

・エゾボラ(マツブ)
大型で高級なツブ貝、唾液腺の除去は必須。

・ ヒメエゾボラ(青ツブ、ネムリツブ)
・アツエゾボラ(タコツブ)

唾液腺の毒量が比較的多く、1個でも発症する可能性あり。

・エゾボラモドキ
バイ貝と呼ばれることも
毒性が強く、注意が必要。

・ウネエゾボラ
・フジイロエゾボラ

エゾボラ属、テトラミン含有。

・クリイロエゾボラ
エゾボラ属、唾液腺以外にもテトラミンが検出される場合がある。

・スルガバイ(トウダイツブ)
エゾバイ属の中では、この種のみテトラミン含有が確認されている
トウダイツブと呼ばれる貝は他にもありますが、テトラミンが確認されているのは本種のみ

・アヤボラ
フジツガイ科 。
エゾバイ科ではないが、テトラミン含有が確認されているため要注意。

・テングニシ
テングニシ科 。
エゾバイ科ではないが、テトラミン含有が確認されているため要注意。

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

スルガバイ、アヤボラ、テングニシなどは、一部の研究データでは「テトラミンはない」とされています。しかし厚生労働省は唾液腺に毒性があるとして注意喚起しています。安全のため除去推奨

テトラミンを含まない主な近縁・類似種

テトラミンを含まない、あるいは少ないため、唾液腺除去の必要がない貝です。

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

ただし他の毒素を含むものもあるため、別の注意が必要な貝もあります

・エゾバイ(磯つぶ)
テトラミンは含まれていません。
本図鑑の主役であり、手軽に食べられる理由です。

・白バイ貝(エッチュウバイ)
テトラミンは含まれていません。
昔から高級な「バイ貝」として流通。

・バイ(バイガイ・本ばい)
テトラミンは含まれていませんが、内臓(ワタ)にプロスルガトキシンなどの別の神経毒を含むものがあり、内臓の除去が必要な場合があります。
市場に出回るものは貝毒検査がされているので安全性は高い

・カラフトエゾボラモドキ
エゾボラ属ではないため、テトラミンは含まれていないとされています。

ただし、ツブ貝は種類が非常に多く、同定も難しいため、不安な場合は貝を割って唾液腺を覗き、念のため取り除いて使いましょう。

理由②抜群の食味と風味

身は熱を通しても硬く締まりすぎず、柔らかく程よい弾力。
クセのない上品な甘みが特徴で、誰にでも愛される味。
さらに渦巻き状のワタ(中腸腺)には濃厚な磯の風味とほのかな苦味。

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

どこを食べても酒の肴として絶品!

理由③身が取り出しやすい

塩茹でや煮付けにした後、貝蓋を取り、爪楊枝などでクルリと回すだけ!
身がきれいにスッと抜けてきます。
たまにワタが出てくる前に切れちゃうこともありますが…
この手軽さも、お通しして重宝される大きな理由。

磯つぶ貝を味わい尽くす!最高の食べ方

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

磯つぶ貝はシンプルが一番!

その優しい甘みと磯の香りを存分に堪能しましょう。

定番!磯つぶ貝の塩茹で

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

磯つぶ貝の美味しさがダイレクトに味わえる!イチオシ料理

①しっかり洗浄
磯つぶ貝の表面をタワシなどで洗い、汚れを落とします。
②塩水で茹でる
鍋に水と塩(水量の約3%)を入れ、洗った磯つぶ貝を水から茹で始めます。
③火を止めるタイミング
沸騰してから3~5分ほど茹でたら、すぐに火を止めます。
④余熱で仕上げ
鍋に入れたまま、そのまま冷めるまで放置。
余熱調理で柔らかくジューシーに仕上げます

宮崎店長
宮崎店長

付き出しに使う時はほぼ塩ゆでにしています

磯つぶ貝の煮付け(醤油煮)

だし、醤油、酒、みりん・少量の生姜で甘辛く煮付けます。
やや薄目、6:1:1:1くらいで砂糖は使ってません。
こちらも冷たいだしから煮始め、沸いてから5分ほどで火を止めて余熱で仕上げ。
アツアツではなく、冷ましてから冷蔵庫で一晩おいた方が断然美味しいです。
煮汁が染み込んだ柔らかい身。
お酒のアテはもちろん、ご飯のおかずにも最高!

磯つぶ貝の酒蒸し

鍋に磯つぶ貝と酒を適量入れて蓋をし、蒸し焼きに。
使うのはお酒だけ、味付け一切なし。
シンプルなので、凝縮された貝本来の旨みと磯の香りが楽しめます。

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

ポン酢やワサビ醤油、酢味噌なんかを添えてもいいですね。

磯つぶ貝の焼きつぶ

殻ごと醤油を垂らして焼く。
「焼きつぶ」は、香ばしさが加わる、北海道の炉端焼きの定番料理。

おどりや京橋
おどりや京橋

大きなものが入った時はこれがおすすめ!色んな料理の中でも一番濃縮された甘味を楽しめます

磯つぶ貝は洋風にもむきます

アヒージョ・パスタなどにも重宝!
むき身にしてニンニクとオリーブオイルで煮込めば、洋風の美味しい一品に大変身!
熱を通しても柔らかい磯つぶ貝は、パスタの具材としても相性抜群です。

粋 杉本
粋 杉本

画像は白ワイン蒸し。白ワイン・オリーブオイル・にんにく・鷹の爪を入れて蓋をして蒸し上げています

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