味・おすすめ度:★★★★☆3.8
時期・産地・大きさによって受ける印象が違う。
それは他の魚でも同様のこと。
が、この魚は「いいもの」を見る機会が少ないのでやや評価は低い。
「いいもの」が入荷した時は味の評価はぐっと上がる。
価格・産地・呼び方など
「きんめだい」とも呼ばれることもありますが全くの別種。
関東では「カゲキヨ」とも。これが一番カッコいい。
小さいものはk1200くらいから。大きくなるとk2000前後。
この魚の特徴をまず一つ上げるとすれば
この極端な受け口ではないでしょうか?!
この魚の呼び名の元にもなった「目と吻が近い」ことよりも気になります。
おなじ受け口代表の「アロワナさん」
この方の場合は「水面の虫などの餌を捕獲しやすいように」という理由があるようですが・・・
キントキダイ属の魚類はどうしてここまで受け口になっちゃったんでしょうね~
ヒレも特徴的で、全体として見てみると非常に見た目のカッコいい魚であります。
時期?産地?大きさ?個体により大きく評価の変わる魚。
市場でよく見かけるのはこういう感じのチカメキントキではないでしょうか?
8月に入荷の長崎産。
魚体が小さいというのもありますが、貧相な魚体。
体色は赤+黒をさらにくすませた感じ。
鮮度も悪くないのですがあまり美味しそうには見ません。
食べるとあっさりしてほんのり甘味。美味しい魚ではありますがごくごく平凡。それでいてそこそこの値が付くのでいつも買いそびれます。
なのでチカメキントキにあまりいい印象を持っていない方も多いのでは?
しかし今度はこちらをご覧ください!
8月に入荷の島根のチカメキントキ。
色鮮やかな赤に黄金色が入ったような、キラキラ輝く非常に美しい魚!
肥え方も非常によく、先ほどと同じ魚だと思えないくらい。
釣りと網の違い?大きさ?産地?時期?この差は何なのでしょうか?!
いつもこんなんが入荷してくれたら「チカメキントキ」の評価もぐっと上がるでしょうね~残念ながらあんまり入荷してきません。
秋~冬に脂がのるというデータが多いですが、この時もなかなかいい脂がありました。
脂の甘みもありますが、身自体も上品さの中にしっかりと旨味甘味があって極上の味わい。
お腹の中には
肝があまり美味しそうではないですが・・・
まだ未成熟の子があり、美味しさの旬を感じさせます。
先に出た長崎のチカメキントキはk1200でも高く感じますが、島根の方はk1800でも安く感じます!「いいもの」が入荷した時は迷わず買い。
意外!?なほどウロコが取りにくい!
ウロコが取りにくい魚と言えば
エビスダイ!
この魚の場合は「大きく・固く」いかにもごっつくて取りにくそうと分かりやすい。
それに対してチカメキントキは
一見普通なのに細かいウロコがびっしりと、固い皮にめり込んでいる。
エビスダイのような凶悪さは感じませんが、かなりの強敵です。
特に頭のウロコが取りにくい。めっちゃ埋まりこんでるので霜降りして取るのですが、皮ごと取れるので見た目ちょっと汚くなります。
美味しそうなかぶと煮ですが・・・
よく見るとウロコをしっかりとってるので、ところどころ色が剥げています。
見た目はちょっと落ちていますが、煮付けにして味は最高!
アラからいいだしが出る上に皮目の風味もいい。
加熱しても身はしっとりとして味わい深い。
もちろん刺身としても上々の味わい。
見た目も非常にきれいで高級感があります。
めっちゃ僕好みの味です!上品でクセが無く甘味たっぷり。今日のやつは夏やのに脂もあって最高でした~
ちなみに皮は固いので焼き霜造りとかは厳しいです。
加熱がある一定超えると急激に柔らかくなるので、湯引き等でご提供できます。
チカメキントキ・キントキダイ実際の入荷状況
2023-11 珍しいキントキダイが2種!さすが土佐清水直送便
キントキダイの仲間ではチカメキントキともちろんキントキダイが有名です。
他にもキントキダイの仲間はいるのですが・・・・
産地でも全然区別していないようで、まとめて「キントキダイ」として入荷してきます。
今日入荷してきたのは
ミナミキントキ
むなびれの付け根に黒い模様があることと
画像では分かりにくいですが、背ビレや臀びれに濃い赤い斑点模様があることで区別します。
ちなみにキントキダイには黄色い斑点があります。
で、こちらは
ホウセキキントキ
ヒレに斑点模様は無く、体全体がより赤みが濃い感じ
尾びれが湾入型なのも特徴的。
ウロコが細かくて取りにくい所や、身質・味わいもよく似ているのでそこまで神経質に見分ける必要もないんでしょうね~メニューに書くときも「キントキダイ」でいいと思います。