味の評価とおすすめ度:★★★★☆4.5
派手さはないが旬の時期には脂もあり、じんわりと深く美味しい。
知名度的なものか、あまり人気は無いがもっと評価されてほしい魚。
価格・産地・呼び方など
比較的色んな産地から入荷するが、しっかり脂がのるのは愛媛や徳島など瀬戸内もの。
日本海からくるものは脂がやや落ちるものが多かった。
活けで入荷すればk1500円、現地〆の物ならk800円前後。
身質がしっかりしてるので現地〆で十分刺身で使える
フエダイ系の魚と言えばどこか南方系のイメージがあります。
見た目もいかにも南方系の魚ぽい。
でも実は、こちらの市場に入荷してくるのはほとんどが愛媛や徳島の活け魚。最近では淡路や日本海側から〆の物もよく見かけます。知名度の低さとその美味しさがあまり知られていないことから比較的安値で買えます。
魚体は小さいが脂のりが最高!
市場に入荷してくるヨコスジフエダイの多くが300~400g前後と比較的小さなもの。
愛媛産では800g前後の物で最大級と言えるでしょう。
しかしこれが夏前になると
めちゃくちゃ肥えてきます!
皮目を炙ると
かなりしっかりとした脂!
身自体に甘味は少ないですが、しっかりとした旨味。
さらに炙った皮が非常に香りよく旨い!
身と皮の旨味と脂の甘みが素晴らしい相乗効果を発揮するんです。
同じ時期フエダイ系の魚は「フエダイ」「ヨコスジフエダイ」「クロホシフエダイ」の3種が入荷します。
この3種の味を比較してみると刺身では
フエダイ>ヨコスジフエダイ>クロホシフエダイの順。
この時期のヨコスジフエダイは本家「フエダイ」には一歩及ばないものの素晴らしい美味しさ!
クロホシフエダイはそこまで脂が乗らないのが残念。
身自体の旨味にやや欠けるイメージがありすが、じっくり味わうと甘味がしっかりあります。
超プレミア魚である「フエダイ」がk4500~が相場なのに対し、「ヨコスジフエダイ」はk1500前後。
脂ののったヨコスジフエダイは非常にコストパフォーマンスの高い魚だと言えます。
その後、夏の盛りにも入荷はありますが、やせて細く脂の落ちてしまった物ばかり。
涼しくなってくると、またよく肥えて脂のりの良いものが入荷するようになります。
こちら9月に淡路から入荷した物。
夏にも入荷ありましたが着荷状態が悪かったです。
涼しくなって水温が下がるとともに急激に物が良くなりました!
実はライバルは「フエダイ」ではなく「イサキ」
ヨコスジフエダイが美味しくなるのと同じ時期、あの魚もまた最高に旨くなります。
なんと!「トロいさき」と旬が丸かぶり( ゚Д゚)
どちらも脂のりが最高潮なのと、皮目を炙って食べるのが最高に美味しい魚であることが共通のおすすめポイント。
しかも大きさも値段も同じくらい。
知名度と身や皮にしっかりと甘味もあることから、人気は「イサキ」
できるだけ同系統の魚ばかりにならないように仕入れているので、泣く泣く極上のヨコスジフエダイをあきらめる日も少なくありません。
ほんの少しだけ、いさきの旬が早く終わる年が多いので、そこからはヨコスジフエダイの独壇場となります。
実際の入荷状況
2023-10 クロホシフエダイも今が旬!?比較してみたら・・・
今日はヨコスジフエダイとクロホシフエダイが同時に入荷していてました。
驚くことに、全く区別することなく「同じ魚」として売られてました・・・
どちらも肥え方は上々
お腹の中もよく似た感じ。
脂玉の持ち方もそっくりで、「旬」に関してはどちらも同じ条件だと言えます。
ウロコかいて3枚おろし。
皮目の模様の特徴は残っています。
上がヨコスジフエダイ、下がクロホシフエダイ。
ヨコスジの方が白っぽく脂気あり。
皮目を炙ってみるとより分かりやすいでしょ。
やっぱりヨコスジはしっとり脂ありで、クロホシはほとんど脂気がありません。
このまま造りで食べ比べてみると、パッとした印象はヨコスジが旨い。しっとり旨味があって脂の甘味がジワ~ッと。クロホシも口に入れた瞬間はかなりあっさりしたイメージですが、味わうほどに甘味が広がっていくようで、これはこれで美味い!
昆布だしでしゃぶしゃぶにして食べ比べました。どちらも加熱しても硬く締まらずいい感じ。こうして食べるとクロホシの甘味が非常に強調されますね。好みもあると思いますが、加熱料理ならクロホシの方が旨いかも。
ちょっとクロホシフエダイのことを見直しました。
2023-9 春と秋の2回の「旬」がある魚ということがよくわかる極上物
淡路から、活け〆した様子は無いですが非常に状態のいいヨコスジフエダイ。
800g前後と魚体も大きく、肥え方も最高。
同じ産地から同じように夏場にも入荷ありましたが、その時とはまるで魚が違います!めっちゃ美味しそう!
皮の風味がいいので炙って焼き霜造りに。春より脂ないやろな~って思ってたら大間違い!皮目にしっとり脂で身にもサシのように脂が入り込んでます。めっちゃ旨いです!
活け〆したかのような美しい身質。
水揚げすぐ氷海水で〆てるかもしれませんね。
これでk1200円は破格中の破格!知名度が低いって怖いですね・・・
2023-6 今年最大!1kgアップのめっちゃ肥えたやつ
現地活け〆のヨコスジフエダイ。
お腹がちょっとパンパンですが肥え方は申し分なし。
しかし!鮮度がいいものの色艶はイマイチ。酸欠になった魚みたいにちょっと白っぽい。
皮目を炙ってみましたが、脂のりはイマイチ。
時期的にも少し脂を落としていても不思議ではありませんが、それ以上に期待以下の脂でした。
それでも美味しいです!上品な甘みがいい感じ。
2022-6 なぜか今年は入荷が少ない!愛媛の脂もの
去年は毎日のように入荷があったのに今年はほとんど入荷なかったです・・・
それでも脂のりの良さは相変わらず!
味わうほどに旨味を増す味わい深い魚ですが、この脂のおかげでかなりインパクトもあります。
今年はイサキともども入荷量激減でした~
2022-6 鳥取の定置網のヨコスジフエダイ
今回は活け物ではなく、鳥取の定置網の〆のもの。
鮮度よく丸々肥えてます!なによりめっちゃ安い!k600円ですよ!
めちゃくちゃ肥えてますが、愛媛の物と比べると脂はかなり薄いです。
産地による違いが面白いですね~
しかしながら味は最高!
加熱しても硬く締まらないので、どんな料理でも美味しく食べられます。
ホンマに評価低すぎですね~