味・おすすめ度:★★★★★5.0
上品な旨味と甘味に特有の香りで味は満点。
kg単価で考えると高く感じるが、「本物」であることをアピールできるなら決して高くない。
オス・メス無選別で鮮魚として入荷するものは比較的安い。
価格・産地・呼び方など
よく見かける「子持ちシシャモ」と区別するため「本シシャモ」と呼ばれる。
10~11月の短い期間、北海道から入荷。
希少性が高く、全く見かけないシーズンもある。
普段よく見かける、いわゆる「子持ちシシャモ」は和名では「カラフトシシャモ」英名で「カペリン」と呼ばれる魚。
今回紹介する「シシャモ」とは、同じキュウリウオ科ではありますが、全く別種の魚。
ややこしいので本物の「シシャモ」は「本シシャモ」と呼ばれることが多いです。
本シシャモは日本固有の貴重な魚!
本シシャモは胆振・日高・十勝など、北海道南部の太平洋側だけに生息する日本固有の貴重な魚。
鮭のように川に遡上して産卵する習性を持ちます。
シシャモの漁期は10~11月半ばと非常に短い期間。
漁が始まってすぐ、10月初旬のメスは卵も小さく、まだ身に脂があります。
漁も半ばになると、卵が成熟し大きくなり、体から脂が抜けていきます。
メスは子持ちが珍重されるので、漁の後半卵が成熟したものが好まれます。がその分、身の味は落ちてる!なので身の味わいはオスの方が安定しています。
本シシャモは非常に漁獲量が少ない上に、漁は産卵親魚保護のため計画的に行われます。
限りある資源を大切に!なので本シシャモは今や超高級魚なのです。
カラフトシシャモはほとんどが輸入品
カラフトシシャモはノルウェーやカナダに大きな漁場があり、水揚げも大漁ですが現地では全く食されず、安価で輸入されます。
しかし安かろう悪かろうではないんです!
本シシャモと比べると味も風味も全く別物。
でも独特の風味と旨味に脂のりも良い。
人気の卵もプチプチ美味しい。
骨が柔らかく丸ごと食べられるので栄養価も高い。
さらに最近では流通状態も良くなり、良質の物を選別した高級子持ちシシャモも出回ります。
これを「本シシャモ」として提供するのは言語道断。ですが子持ちシシャモは「それはそういう物」として見れば、とても美味しい食材です。
本シシャモのオスとメス
シシャモは市場に、このようにオス・メス入り混じって入荷してきます。
オスは身が美味しいし、メスは子持ちで希少。だからちゃんと分けてお客様にご提供したい!
となると、オス・メスの選別が必要です。
シシャモのオス・メスは外見で見分けがつきやすいです。
大きくがっしりしているのがオス。
オスの尻びれはメスよりかなり大きいです。
ただし漁前半のメスの卵は、未成熟でまだそれほど価値があるとは言えません。分けて提供すると「卵」を期待した方にはがっかりされるかも。脂があって身も美味しいのでオス・メスともにそこをアピールしてみては?!
すでに一夜干しに加工して売られているものは、はっきりと「子持ちのメス」と「オス」とに分けられています。
なので
- 貴重な卵を楽しめるメス
- 身が美味しいオス
と区別しておすすめしやすいです。
シシャモの料理・レシピ
シシャモの自家製一夜干し
シシャモは18%の塩水に6分浸ける。
表面の塩気を薄い塩味がする程度まで洗い流し、軽くふいて酒をまぶし、しっかりと水けを拭く。
網に並べて干す!
焼いても唐揚げや天ぷらにしても旨い。