味・おすすめ度:★★★★☆4.5
非常に美味しい魚だが、スズキとの違いを伝えられるかがポイント。
「スズキはいらんわぁ~」というお客様も意外と多いですから。
価格・産地・呼び方など
冬場徳島・和歌山からの活け物が中心で入荷。
春~夏に不意に土佐清水からやってくることも。
こちらの市場ではもっぱら「モス」と呼ばれる。
白身魚で一番美味しいのはこの魚や!
かつて私に魚のことをいろいろと教えてくれた、中央市場の仲買人兼釣り師でもある、ちょっとだけ尊敬できる方の言葉。
そう言って毎日のように「ヒラスズキ」を買わされたのも、今となってはいい思い出。
見た目はよく似ていても「スズキ」と「ヒラスズキ」は全く違う魚
まずは見た目の違いから。
見慣れない方は「ヒラスズキ」だけ見たら
これスズキやん!?
と思われるかもしれませんが
こうして比較してみると見た目からして全く違う魚だと分かりやすい!
上が「ヒラスズキ」で、下が「スズキ」
ヒラスズキの方がより体高が高く尻尾の付け根まで幅広い。
ヒラスズキの方が魚体が大きく、冬場ということでよく肥えていますが、違いは分かってもらえると思います。
旬の時期も違います。
夏が旬の「スズキ」に対し「ヒラスズキ」の旬は冬。
生息域も「スズキ」が河口から湾内でも見られるのに対し、「ヒラスズキ」は外洋に面した荒磯に多い。(大雨の後などはまれに淡水域でも見られる地域もあるとか)
釣り人の間では「荒磯の王者」とも呼ばれ親しまれています。
また味わいも全く違う。
「スズキ」にある川魚のような個性ある風味・クセが「ヒラスズキ」には全くない。
旬である冬場は脂のりも良く、旨味・甘味が非常に強い。
皮を引いたヒラスズキ。
血合いも赤くどちらかというと鯛に近いように見える。
スズキに見られる、身の中の黒い筋みたいなのも見られません。
ヒラスズキは大型の方が甘味旨味が強いです。
30cm前後の若魚はあっさりしています。
小さくても皮目は美味しいので、焼き霜造りにすると旨味の少なさを補えます。
大小関わらず加熱料理でも柔らかく、豊潤な味わいを楽しめるのも特長!
値段も全く違います。
明石など特定の産地の物を除き「安い」魚である「スズキ」。
それに比べ「ヒラスズキ」は漁獲量が少なく、一部の愛好家から絶大な支持を受け常に高値。
今でこそ市場に出回る漁が増え値も安定していますが、かつては「のどぐろ」以上の値を付けることも!
このように「スズキ」と「ヒラスズキ」は全く別の魚。この違いをどうお客様にお伝えするかがおすすめのポイントとなります。「スズキ」は嫌い!という方もいますからねぇ~
ヒラスズキは晩秋から冬にかけて美味しくなる魚です
こちらの市場に一番入荷が多いのが徳島や和歌山の活けの物。
こちら一見よく肥えて美味しそうな和歌山ヒラスズキ。
でもちょっと違和感を感じませんか?
拡大してみると
産卵中・・・
お腹の子が我慢できずにあふれ出してきてます。
ここまで子が成長したメスは身質がかなり落ちていることが多いです。
きっちり活け〆しててもしまりは早く、水っぽく弱々しい。
こういいうメスは避けて買うべき。
一方こちらは同じ時期のオス
子ではなく白子。
オスの場合は産卵期であっても、そこまで身質の低下は見られません。
この場合に限って言うと、買うならオスのヒラスズキ!
毎年この産地の「ヒラスズキ」は、寒さが本格化する12月末~1月にかけて子が大きくなる印象。
この時期に「ヒラスズキ」を買う時はちょっとだけ注意して見てください。
ヒラスズキの実際の入荷状況
2024-2 オスかメスかが大問題!特にこの時期は・・・
どちらもめっちゃ肥えたように見える「モス」の入荷!
k1800円という破格値なのは、どちらも腹が大きくなっているから。
左がオスで右はメス。どちらも白子と卵が漏れ出てきてました。
ここまでくるとメスの方は腹皮がかなり薄くなっていましたが、オスはまだいけそうな感じ。
なのでオスだけを買いました!
2024-1 大しけ!喉から手が出るくらい天然魚がほしい日にきました!
天然物の入荷が皆無のこの日、本当に奇跡的な入荷です!
「ある」でけではなくめっちゃ肥えた最高のヒラスズキ!
この時期は子を持ち出すので要注意ですが
白子でした!
大きさもそこそこで、産卵直前という感じではなかったです。
例年なら徳島のモスはこの時期産卵直前で、身が弱かったりしますが、今日はバチバチの良い身質でした!
2023-12 今シーズンは出遅れてる?ヒラスズキ初入荷?!
多分市場にはもう少し前から入荷があったのだと思います。
が、私が見かけたのはこれが初めて。
めちゃくちゃ肥えた最高のヒラスズキがなんとこの日はk1700円・・・安すぎやん
例年ならこの時期はk2500円とかしてたはず。今年はいまだに安いスズキが結構出回ってるので、それにつられて安くなったんかな~って予想してます。
2023-4極上?!7kgアップの良く肥えたヒラスズキに期待は高まる!
肥え方、特に背側の丸みが素晴らしい!
しかも「活け」での入荷!にもかかわらずkg単価は2000円。
この魚にしては非常に安い!時期的に予想されるのは「産卵から回復した個体」ですが、あまりこの時期買うことないので、ちょっとお試しの意味も込めて買いました。
尻尾の方や腹側でも肛門より下の部分も肥えてるので「いける!」と判断しましたが・・・
身質はいい!一見美味しそうですが
身はキレイです!尻尾に近い身は旨味もあります。上品であっさりですが甘味はまずまず。
冬場に比べると明らかに旨味に欠けますね。昆布〆などで味を補った方が美味しく食べられると思います。
外見上は回復していても、身の味わいはまだまだということ。この時期、桜鯛やコチなど活け物でも他にもっと安くて美味しい魚が出回ってるので、無理して買うこともないレベルでしたね。
12月「活け」を買う必要があるのだろうか?と思わせる産地活け〆極上ヒラスズキ
長崎産4kgアップ、産地活け〆でやってきたいわゆる「追っかけ」のヒラスズキ。
「〆」になるので非常に安くで買えました!k2000円。この時期活けのヒラスズキは小さいものでもk2500~このクラスが活けで入荷するとk3500はしますよ~
活け〆からの処理も良くいい感じの身質!脂もそこそこありますね~
上品な風味にしっかりと旨味&甘味。
今月は全国的に天候が悪く活け物が全く入荷してきません!そんな状況の中でも山口あたりから「活け〆」のヒラスズキが連日入荷。1kg前後とやや小さめですが・・・k1500円前後!信じられないくらい安い!物も最高!わざわざ高い「活け」を買うのが馬鹿らしくなります・・・