味の評価とおすすめ度:★★★☆☆3.5
脂も風味もあって味もいい!味だけの評価なら・・・
それでもここまで評価を下げたのはウロコと小骨。
処理の厄介さは今まで取り扱った魚の中でもトップクラス。
ウロコ取る時は注意が必要。
価格・産地・呼び方など
こちらの市場に入荷するのは淡路や和歌山。
30㎝以上になる魚らしいが、小羽いわし程度の小さな物がやっかい。
2kgの箱に100尾くらい?
少し大きな物はまだ取り扱いしやすい。
「イワシ」と名が付きますが、どう見てもニシン系の魚。
見た目はコハダ(コノシロ)やサッパ(ママカリ)とそっくり。
でもウロコがなんだかぴったりしてる気が・・・
ここでふと嫌な予感がしました
【コハダ】はウロコが取りにくい魚だから水に浸かって流通すると言われてます。
水に浸けておくことでウロコを取りやすくしているそうです。
ちなみに通常青魚は海水に浸けておかないとツヤが飛んでしまいます。でもコハダは真水でもツヤが飛ばないので普通の氷水に浸けてるだけでOK。
こちらは水に浸からず下氷で入荷したコハダ(コノシロ)。
ウロコが取れにくい魚とはいえ、流通の段階で自然と取れてる部分もあります。
また爪でひっかく程度でもウロコは取れます。
腹びれの前後に硬い稜鱗があるのでその部分はざっくり切り落としてもいいです。
【サッパ】は体のウロコはとりやすいのですが、コハダ同様腹びれの前後に硬い稜鱗があります。
そうです。
ウロコに関してひと癖あるのが、この系統の魚・・・
そして【カタボシイワシ】はというと
薄くて硬くてビッチリ「いかにも」なウロコ。
流通の時点で1枚たりともはがれていません。
もうホンマに嫌な予感しかしません。
嫌な予感は的中!
なんしかウロコが取りにくい!ピッタリ皮に貼り付いてる感じ。
コハダのウロコの取りにくさを100とするならカタボシイワシは8000くらい。
包丁を使うとウロコの上を滑っていく。
エビスダイやチカメキントキとはまた違う取りにくさ。
包丁だとちょっと力を入れるだけでウロコといっしょに皮がはげちゃいます。
特に小さいものは皮が柔らかいのでかなり慎重にやったんですけどねぇ。
包丁ではウロコが取りにくいです。あまり鋭利じゃない物、例えば貝割りのナイフとかで水を流しながらゆっくりこそぐと上手く取れます。
やさしく、やさし~くね。
今回はこんな小さなカタボシイワシ。
「小形のものは身が軟らかく脆弱、大きくなるとしっかりする。」(@市場魚図鑑)
「(30cm級)イワシ特有の薄くて大きな剥がれやすい鱗に全身が覆われている」(@野食ハンマープライス)
とあるので、大きな物はこんな苦労はしなくていいのかもしれない・・・・
お腹はサッパのように切り落としました。
やっとの思いで水洗いを終えまずは三枚おろし。
血合いが多く身に赤味を帯びるが透明感があって美しい。
また小さいわりに爽やかな脂があり、ちょっと気分が上がる。
でも小骨を抜く気力は残ってなかったので
腹骨だけかいて皮ごと背越し風に。
ここから生姜やネギと和えてタタキ風。味噌で叩いてなめろう。塩とゴマ油で塩ユッケ風など。どれも非常に美味しい!ニシン類特有の旨味・コクがしっかりしていて味付けに負けないです。
他の料理にするときは
骨を付けたまま骨切が基本かと。
こっから煮付けや塩焼きに。
煮付は霜降りしてウロコを再度キレイに取ってから、濃い目の味でシャッと炊きました。
ちょっとボソッとしますがこちらも旨味が強い。
意外と味が入っていなかったので煮汁とからめながらが美味。
塩焼きは焼きすぎるとかなりボソッとなります。
ちょっと塩強めに当てて10分ほどなじませ、浅めに焼いて丁度いいくらい。
骨を気にしないなら骨切せずに焼いた方が美味しいでしょうね~
食べると非常に美味しかった!ただウロコが・・・もっと大きな物も扱ってみたいですが、なかなか入荷は無いですね~