飲食店を開業するためには必ず行わなければならないことがあります。
初めて飲食店を開業する方には、「何をいつまでにどのように作業を進めればよいのか」はとても難しい問題でしょう。
このページでは、飲食店開業までの流れや必要な手続きをご紹介していきます。
飲食店開業までの1年間のスケジュール表もあるのでぜひご利用ください。
飲食店開業のおおよその流れと開業1年前からのスケジュール
飲食店開業までには、物件探しやメニュー作成の他にも、様々な手続きや書類作成などやることが満載!
最低でも開業の一年前からはスケジュールを立てて効率よく実行していく必要があります。
※このページの最後に一年間のスケジュール表があります。印刷してお使いください(pdf)
1年前:コンセプトを設計しておこう
コンセプトとは?大まかに言うと、店舗のテーマのこと。
- どのような飲食店なのか?
- どんなお客様にどんな料理やおもてなしを提供するのか?
などをあらかじめ決めておくのです。
お店の名前やターゲットとなる客層、インテリア・価格帯、営業時間、従業員のマニュアルなども含めて設計することが大切です。
飲食店の経営は、コンセプトなしには決して成り立ちません。
慣れない作業であるかもしれませんが、時間をかけて真剣に取り組むべき最大の課題なのです。
約11ヶ月前:事業計画書(創業計画書)の作成をはじめよう
・事業計画書とは?
今後、どのように事業を運営していくのか?
頭の中に描いているイメージを具体的な行動として示す計画書のことです。
「事業として成り立つのか」という点を客観的に判断し、具体的実現のために作成します。
事業計画書は、飲食店という事業の成功確率をグッと高めるためのもの。初めての方には大変な作業ですが、何事も初めが肝心!
・事業計画書の作成
作成したコンセプトを基に、開業した後の収支や投資する金額を具体的な数値にしてシミュレーションを行います。
- 頭の中のイメージやコンセプトを具体的な数字や文章にすることで、他の人が見てもその内容が一目で分かるようになる。
- 開業費用や売上計画を事業計画書にまとめることで、計画に問題がないか?改善する点がないか?などを確認できる。
また、事業計画遺書は開業資金を調達するための融資をしてもらうために必要な書類でもあります。
安定した経営をして、融資を受けたお金を返済できることを事業計画書によって伝えるのです。
コンセプト設計と事業計画書は何よりも優先して作っておくべきです。
おぼろげでしかなかった夢をすぐにでも具体化しておきましょう。
「夢を温める」時間はいくらあっても多すぎるということはありません!
約8~10ケ月前:物件探し
開業予定日の8ヶ月~10ヶ月前には物件をおさえておくことが重要です。
- 理由①物件を契約後に、内装工事、外装工事、資金調達など様々な準備がどんどんあります。
- 理由②事業計画書作成に必要。家賃やどのような業種なのか、出店エリアはどこなのか何も分からない状態では融資を受けるは難しい。
資金調達よりも物件探しを先に行い、自己資金が少ない場合には、手付金を払わずに仮押さえできるようにオーナーに交渉しましょう。
基本的に物件はお店のコンセプトやターゲットになる客層に合わせて選びます。
単純に「人通りがい多いから」「知り合いに勧められたから」という理由で選んではいけません。
例えば
- 家族連れがターゲットなのであれば家族で来店しやすい場所か?
- 会社員がターゲットであればオフィス街でランチ需要や帰りに立ち寄りやすい場所か?
などによって物件を選びます。
どうしても気になる立地の物件がある場合、コンセプトやターゲットがずれているなら再度コンセプトから練り直す必要があります。
約8~10ケ月前:デザイン作成・工事業者の決定など
飲食店開業の投資コストで大きな部分を占める、内装工事。
店舗デザイン・内装会社選びは思った以上に時間がかる上に、業者選びに失敗すると時間やお金を大きくロスしてしまいます。
経験豊富なお知り合いがいれば、その方のアドバイスを受けて開業までの計画を立てることをお勧めします。周囲にアドバイスをくれる知り合いがいないのであれば、開業までのサポートをしてくれる業者に依頼することで無駄のない開店準備が出来ます。
ただし、業者によってサポートしてくれる内容、費用はかなり違います。
良く調べてから依頼する必要があります。
またひと口に内装会社といっても得意分野や方法はそれぞれ異なり、明確な金額も事前には分かりにくい業界。
自分が目指しているお店をつくるために、どのような会社を選ぶべきか?選ぶ基準は?
正しい知識を身につけて、正しく業者を選びましょう!
5ヶ月前:融資などの資金調達
開業するために必要な資金調達を行います。
自己資金の他に資金調達をする方法は大きく以下の5つ
資金調達方法2:友人・パトロンからの資金調達
資金調達方法3:民間の金融機関からの融資
資金調達方法4:日本政策金融公庫の融資制度
資金調達方法5:補助金・助成金を活用
4ヶ月前:メニュー開発&接客・調理マニュアル作成
飲食店の『肝』であるメニュー。
こちらも早い段階で試作と試食を重ねてメニューの開発をします。
必要な厨房機器・調理器具や原材料の洗い直しも同時にしておきましょう。
またマニュアルは店のサービスを常に高い水準で保つためには絶対に必要なもの。
ましてや新規開店となるとその重要性は増します。
面倒ではありますが接客や調理のマニュアル作成は非常に重要なのです。
3ヶ月前:物件契約&内装施工開始
いよいよ物件の契約です。
この時「いつから家賃を支払わなければならないのか」について、注意しなければなりません。
飲食店の売上が無いのに家賃だけ支払う「空家賃」が発生するのであれば、自己資金から捻出する必要があるからです。
契約が終われば内外装の工事に入ることができます。
飲食店の場合、トイレや厨房といった水回りの改装は行えないことも多いです。
さらに、居抜き物件の場合、設備・機器が、使用できないといったトラブルが起こる可能性もあり、想定外の工事費用が発生することも考えられます!
このようなトラブルを避けるためには、物件を工事業者と一緒に選ぶのが理想的。
希望通りの内装工事を行えるか?
その場で判断してもらえます。
3ヶ月前:設備導入&販促計画
店舗で使う機械、什器、備品を準備します。
後に行う食器やインテリア小物と合わせ、開業資金の約20%が平均的な費用です。
販促については、ショップカードとホームページは必須です。
予算や集客目標に応じてグルメサイトへの掲載やチラシ・広告を検討します。
この時「狙うターゲットに情報を届けるには、どの媒体を使うのが有効的なのか?」をしっかりと検討することが大切です。
色んな販促方法がありますが、最も重要なのはホームページです。
ホームページを作成し「チラシ」「SNS」などの他の販促も全てそこにリンクさせることで、少ない費用でも高い効果を期待できます。
▶効果大!ホームページを利用した飲食店の販促のポイントはこちら
2ヶ月前:備品発注
食器、ユニフォーム、インテリア小物、ホールの備品などを準備します。
2ヶ月前:助成金申請
・助成金とは
自治体や国の予算から、地域の活性化といった目的のために、飲食店を含めた開業資金や創業する資金をサポートするものです。
申請し、審査を通過する必要があります。
借入と違って、返済する必要がないのが最大の特徴。
取得しておいて損はありません!
▶開業時に利用できる助成金
2ヶ月前:開業手続き&資格の取得
飲食店開業のためには保健所や税務署への届出など法律に基づいて手続きをする必要があります。
営業許可の他、防火管理者選任届など様々な届出が必要です。
飲食店開業ための最初の試練といえるのが営業許可証の取得。
営業許可の申請は、開店の2週間前までに、管轄の保健所に書類と手数料を揃えて提出します。
その後2週間以内に、検査員が実際に施設を確認しに店舗までやってきます。
1ヶ月前:人材採用
アルバイトや社員の募集を行います。
「どんな人を採用するのか」を明確にし、採用する人に求める知識・スキル・経験・人物タイプなどを設定しておきましょう。
求める人材を確保するためには「どんなお店でどんな仕事をするか」という情報を記載しておくが大切です。
採用後はマニュアルを活用しつつ、接客や調理の研修をして、オペレーションを共有します。
▶飲食店スタッフ採用のコツ
1ヶ月~1週間前:プレオープン
関係者を招待し、プレオープンをして実際の営業シミュレーションを行うことが大切です。
スムーズな営業をすることよりも、様々な問題点を探し出すことを重要視します。
気になる点などアンケート調査をするのもいいですね。
開業
販促計画に基づきしっかりとオープンを周囲にアピールしておきましょう。
プレオープンで発生した問題点やアンケート結果について改善、万全の状態で開業当日を迎えます。
1年間のスケジュール表
ダウンロードして印刷しご自由にお使いください。