開業時に限らず資金調達のため融資を受けるなら、創業計画書や事業計画書が必須です。
事業計画書と創業計画書とは、飲食店の経営の見通しを数字にして、融資をする際の判断材料に
してもらうための書類です。
融資する側も、返済できない相手に融資するミスはできません。これらの書類は、安定した経営をして融資を受けたお金を返済できることを伝えるために必要なものなのです。
どっちも必要?!創業計画書と事業計画書の違い
まず簡単にその差を説明すると
①創業計画書
創業しようとした時に書くのが、創業計画書です。
どういう事業を始めたいかを説明するために作られる書類
=開業前、もしくは開業間もない時期に作成。
②事業計画書
すでに事業を行なっている時、どういう事業をしているかを説明するために作られる書類。
=企業簿の事業が軌道に乗っている時期に作成。
創業計画書は事業計画書と同じ意味として扱われていることがあります。
開業前、資金調達のため日本金融公庫に融資の申請をする場合に必要なのは、正確には「創業計画書」ということになります。
創業計画書は開業の融資の申請書としても利用されることが特徴。
事業計画書は保証協会や一般融資の申請をする場合に必要となります。
どちらにも経費や売上など、数字を記載する項目があります。
内容については大きな違いはありません。
しかし創業計画書は事業計画書と比較して非常に簡潔な書類になっています。
どちらも、融資で資金を調達する場合、金融機関独自の書式での書類提出を求められます。
どこの金融機関にも出せる共通のテンプレートといったものはありません。
融資のタイミングを逆算し、3ヶ月前までには書類を作成しておきます。
開業したい時期を明確にし、スケジュールに組み込んでおく必要があります。
融資率をアップさせる!創業計画書の書き方のポイント
まずは開業の資金調達!そのために必要な創業計画書の書き方のポイントを説明していきます。
創業計画書は実績ではなく、起業する動機や経営者の経験、どんな店なのかといった内容や、仕入れ先や取引先、資金計画といった準備している内容を明記します。
まずは実際どういう物か?を見て見ましょう。
初めて見る方や書類が苦手な方にはちょっと難しく感じてしまうかもしれません。
しかしひとつひとつ丁寧に、ポイントをおさえながら書き進めれば大丈夫です。
ポイント1. 創業の動機
創業されるのは、どのような目的、動機からですか?
やみくもに開業するのではなく、しっかりと準備をしたうえで開業することを伝えることが大切です。「なぜ開業したいのか?」簡潔かつストーリー性のある内容で創業の動機を記載します。
ポイント2. 経営者の略歴等
勤務先名だけではなく、担当業務や役職、身につけた技能等についても記載
重要なことは、先の「なぜ飲食店を開業したいのか」というストーリーと矛盾しない内容であること。
経営者の、社会人になってからの経歴を簡潔に記載します。
ポイント3.取扱商品・サービス
どうやって売上を出すのか?
大切なことは、商品と各商品の価格の詳細を記載すること。
セールスポイントや周辺の状況も記載するため、先にコンセプトを設定し、立地も決まっている必要があります。
▶【最優先事項】飲食店開業はコンセプト設計なくして行えない!
▼コンセプト設計についてはこちら
ポイント4.取引先・取引関係等
すでに確保している取引先や顧客を記入。
どのように仕入れを行い、どのような人・お客様に商品を提供するのかという経営の流れの確認です。
取引先との結びつきや仕入れ条件、選定理由などの関係についても説明する必要があります。
契約書・注文書などがあれば添付してください。
ポイント5.従業員
開業する飲食店で働く従業員の人数を記載します。
社員やアルバイト、パートも含めて3ヵ月以上継続雇用を予定している従業員全員が対象です。
ポイント6.借入の状況
注意点としては、「飲食店の開業に関係のない借入状況のみ」を記載することです。
法人であれば代表者、個人事業の場合は創業者の借り入れの状況について記載します。
ポイント7.必要な資金と調達方法
融資を受けて飲食店を開業するにあたり、どの程度の資金が必要であるという点を数字を用いて説明します。
必要な資金は「設備資金」と「運転資金」に項目が分かれています。
それぞれの詳しい内容はこちらをご覧ください。
▶飲食店の開業資金っていくら?開業費用を安くする方法とは?!
資金調達の方法はこちらをご覧ください▼
ポイント8.事業の見通し
売上の根拠。
売上高、売上原価(仕入高)、経費(人件費・固定費)から想定利益を計算。
その根拠も記入します。
創業当初と経営が軌道に乗った後の月平均の両方の見通しを記入します。
創業計画書は融資のために必要なだけではありません。開業した後の収支や投資する金額を具体的な数値にしてシミュレーションすることで、計画に問題がないか?改善する点がないか?などを確認できるのです。繁盛店にするためにも絶対避けては通れない道!
創業計画書は、フォーマットが用意されています。
内容さえ決めておけばフォーマットをダウンロードし、入力印刷するだけでスムーズに作成できます。
※日本政策金融公庫のホームページへリンクしています