味の評価とおすすめ度:★★★★☆4.0
他の産地のデータが無いが、淡路の物はしっかりと旨味がある。
真穴子と比べるとやや落ちるものの十分おすすめできる。
ただし処理をきちんとしないと食べられない。
価格・産地・呼び方など
こちらの市場には淡路産で泳ぎで入荷する。
悪評があるせいか価格は安い。k800前後。
臭い!まずい!
釣ってクーラーボックスに入れて持って帰ったけど、蓋を開けた瞬間に悪臭!もったいないけどほりました・・・
何とも悪評の多いこの魚。
ですが!
しっかり処理すれば美味しく食べられるんですよ~
しかも「あ~食べれるんや~」というレベルではなく
「黒穴子って美味しいやん!」というレベルで!
そのためには兎にも角にも「下処理」が大切です。
ポイントはぬめりと内臓。どちらもしっかり取り除きましょう
市場に入荷するのは
このように元気に泳いでる黒穴子!
これを活け〆して使います。
まずは黒穴子と真穴子の見分け方をご紹介
まずこちらは真穴子
真穴子の側線上には点々模様がはっきり見えます。
こちらは黒穴子。
黒穴子の側線上には点々模様は見えないorごくごく薄い。
これも黒穴子。
茶色っぽいですが点々模様がないので黒穴子です。
それと黒穴子の方がなんだか水っぽい皮目をしています。
下処理①まずはぬめりをしっかりとりましょう
こういった魚のぬめりを落とす代表的なアイテムが「金たわし」「ストロングたわし」など。
ですが・・・
これでこすったくらいでは黒穴子のぬめりはなかなか落とせません。
こすってもこすっても次から次へとぬめりが生まれてくる感じ・・・
こういう時は思い切って50℃くらいのお湯に浸けちゃいます。
手を入れてギリギリ我慢できるかできないかくらいの温度に30秒ほど。
ぬめりが凝固して驚くほど簡単に落とせるようになります。
黒穴子は皮が厚くしっかりしてるので、浸ける時間にはそこまで神経質にならなくても大丈夫です。
その後すぐに氷水に浸けて冷やしましょう。
腹を開けて内臓を取り出し掃除する
黒穴子の臭みの原因は、エサを食べてそれが腐った状態、いわゆる「えばみ」が原因ではない。
時間がたつと内臓そのものが臭いを放っているような印象。
その原因と考えられるのが「血合い」の部分。
中骨に沿って血の塊みたいになってるとこですね。
だって新鮮なうちに処理してるのにドス黒くて気持ち悪いんです。鱧と違ってかなり取りにくいし。
特に
この肛門のすぐ上にある部分。
奥深く入り込みなかなか洗い出せないです。
頑張って歯ブラシなどでしっかりと落としておきましょう。
まずはこの血合いとぬめりをしっかりとること。
それが黒穴子を美味しく食べるための第一歩です。
中骨の形が特殊。なのでおろすのにちょっとだけコツがいります。
百聞は一見に如かずと言います。
まずはその中骨の形を見てみましょう。
指でつまんでいるのが背ビレの方。
中骨がY字というかT字になっているんです。
腹側から見るとこんなん。
なので鱧を開くような感じではキレイにおろせません。
3枚におろすなら背から包丁入れてT字の先まで進め、腹の膜と切り離してください。
開くときもこの骨と腹の膜をまず切り離し、そこから包丁を入れ、T字のカーブに沿って2段階に分けておろすといいでしょう。
背側から切り進めた例です。
骨と身をつなぐのは腹骨ではなく白い膜のような物です。
3枚におろした身。
この白い膜の下には腹骨はありません。
この膜も意外と分厚いので、気になるならすき取ってしまいます。
はいスッキリ。
開いた時は背びれを取るのを忘れないように。
真穴子同様、背ビレを引っ張りながら、尾側からヒレきわに包丁の刃先を当てて頭側に切り進みます。
いよいよ料理!肛門より頭側か尾側かで使い分けましょう。
肛門を境に小骨の入り方が違っています。
肛門より頭側
それほどキツイ骨ではないし、腹側は骨が無い。
肛門より尾側
尾に近づくにつれ骨が強くなるし、腹側にもしっかり小骨が入る。
なので肛門より頭側の身は料理によっては骨切しなくても大丈夫。
反面、肛門より尾側の身は骨切が必要です。
蒸すと身が縮んで隠れていた骨が見えるようになり、骨抜きが可能になるそうです。面倒なのでやったことありませんが。
代表的な料理は「焼き霜造り」身の旨味を存分に楽しめる!
さばいた黒穴子を骨切り。
身→皮の順に炙って水に落とさず急冷します。
真穴子と比べると旨味はやや淡白ですが充分美味しい!
皮はしっかりと弾力があって甘味もあります。
肛門より尾側の身は小骨が結構固いので、できるだけ細かく骨切してください。
頭側は煮物や焼き物に。骨切しなくても使えます。
黒穴子のかば焼き
黒穴子の煮付
肛門より頭側の身を使います。
確かに小骨はありますが、それほど気にすることなく食べられます。
こういった加熱料理は骨切すると肉汁といっしょに旨味が流れ出る…
なので骨切しないで料理できる「頭側」の身がむきます。
人気の定番「天ぷら」骨切&加熱でふんわり美味しい!
短時間で加熱するので骨切した身でも旨味が逃げません。
なので尾側の身を使うことが多いです。
衣のサク感と黒穴子のふんわり感がたまらん逸品です。
天だしで食べても美味しいですが、僕のおすすめは酢橘&藻塩!皆さんどっちがお好みですか~
ウナギ目魚類(ウナギ・ウツボ・アナゴなど)の自然毒について
ウナギ目魚類には血液に毒性があると言われています。
新鮮な血液を「大量に」飲んだ場合、死亡リスクもあると言われています。
また目や傷口に入った場合、局所的な炎症が引き起こされます。
とは言え致死量は体重60kgの人で1000㎖。
悪ふざけでもしない限りこの量を飲むことはないでしょう。
またこの毒は淡白質なので60℃以上で5分間加熱すると毒性を失います。
国内での食中毒の記録はないようです。間違っても興味本位で血液を飲んだりしないようにとのこと。調理する際には十分に注意しましょう。
詳しくは厚生労働省のホームページに掲載されています。
※厚生労働省のページに飛びます
クロアナゴの料理・レシピ
黒穴子の磯辺揚げ
あっさりした味わいの黒穴子は油で揚げるとグッと旨味を増します。海苔の風味がいいアクセント。ふっくらサクッと美味しく仕上がっています!