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【旬の魚】いかなご~瀬戸内海に春を告げる魚!流通の仕方がちょっと特殊です

旬の魚図鑑

イカナゴは特に瀬戸内海沿岸の兵庫県民の方にとって、特別な思い入れのある魚です。
イカナゴと言えば釘煮、釘煮と言えばイカナゴ。
毎年「新仔」の解禁と共に、各家庭で「釘煮」を炊くのが恒例行事。
魚屋さんにはイカナゴを買い求めるお客さんで列ができ、街を歩けばイカナゴを炊く香りが漂ってくる。

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

昔、林崎のあたりに住んでました。この時期は本当にどこを歩いても砂糖と醤油のいい香り。古き良き日本の食文化って感じが好きです。

「いかなご漁が始まった~!」って大騒ぎしてるけど・・・うちの店ではそんなに人気ない気がします。

阪神大震災の支援への返礼をきっかけに、全国に広まったイカナゴの釘煮。
とは言え、大阪では文化としてそこまで根付いていない地域が多いと思います。
それにどちらかというと「家庭的」なイメージ。
飲食店ではあまり使用されない食材でもあります。
また地元での直売が中心など、流通自体が他の鮮魚と違っています。
そのため市場にはあまり並ばないことも、大阪の飲食店には縁遠い原因になっています。

イカナゴは1月に孵化、2月終~3月初旬に2~4cmになる、いわゆる「新子」が一番珍重されて一番高い。
主に出回るのは3~5月で夏になり水温が上がると砂に潜って「夏眠」する。
出始めの小さなものほど高く、大きくなるにつれて安くなる・・・がそれも味は超一流!

特に20cmほどになったものは脂のりも良く、刺身にして極上の味わい。
焼いても旨いし、炊いても旨い!

市場仲買さんへのmission:最高鮮度のイカナゴを手に入れよ

主に釘煮にされるイカナゴは鮮度が命!
少しでも鮮度が落ちたものを炊くとベチャッとなって「釘」煮にならない。
そのため仲買さんや魚屋さんは最高鮮度のイカナゴを手に入れる必要があるのです。
イカナゴだけは現地へ直接買い付けに行かないといけない。

イカナゴ(新子)漁が始まると市場の仲買さんもソワソワし出します。
通常業務が落ち着いたらすぐに、イカナゴの水揚げ情報を元に現地に買い付けに走るためです。
買い付けたらその足で、取引のあるスーパーさんや魚屋さんに配達。
この注文分だけで全部売切れ。

なので普通の鮮魚のように市場に入荷してくることは絶対にないんです!

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

頼んでおけば翌朝市場に持って帰ってきてもらうことも可能かもしれませんが、ひとかご単位(約25kg)で買わないといけません・・・それを翌日、そんな量掃けないし、鮮度も落ちてるしでほとんどメリットがないので頼めません。そもそも水揚げが少ないので回してもらえない。

イカナゴ漁が仕入れに及ぼす影響

市場では商品的にはほとんど見かけることもない。
なので仕入れ機会も少ない。
「イカナゴってあんまり仕入れに関係ないやん!」と思いたいのですが・・・

仲買
漁師さん

イカナゴ漁に行くから、他の魚は獲られへんで~

ですよね~
イカナゴ漁が始まると、特に淡路あたりの活け魚の入荷量が激減。
ただでさえ魚が少ない時期なのにねぇ~

市場にも入荷するイカナゴがいます

イカナゴの市場への鮮魚での入荷はほぼほぼ望み薄。
ですが「釜揚げ」という形で、現地で塩ゆでされたものは多く入荷します。

↑こちらは新子の釜揚げ。

↑こっちがカマスゴ。

鮮魚では「釘煮」にするために、小さな「新仔」が珍重されます。
でも「釜揚げ」ではカマスゴの方が、脂ものってて旨味を感じやすい。
値段も安い!

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

でもやっぱりメニューにしてもあんまり売れないですね~でも付きだしとかコース料理の中に取り入れるなど季節を感じてもらうにはうってつけの商品。

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