日本政策金融公庫のデータによると、夢の飲食店をオープンするためには、約1000万円が必要です。
しかも、お店の規模によってはそれ以上に費用がかかる可能性もあります。
▶飲食店の開業資金っていくら?開業費用を安くする方法とは?!
しかし同じくデータによると、1000万円すべてを自己資金から出している方は全体の20%にも満たない人数。
自己資金は約300万円という方が一番多いです。
約80%の人が、自己資金プラス借入によって調達しているのが現状です。
では「資金の調達」とはどこからどのようにするのか?
これは各々の状況で調達方法が異なります。
担保などがある方は、どの金融機関でも比較的容易に借入することが出来ます。
担保などが無い方に関しては、
- 日本政策金融公庫での借り入れ
- 各金融機関で保証協会を利用した借り入れ
が一般的です。
先ずは、各窓口で相談してみましょう。
何から始めたらいいかわからない方は、まずはここで紹介する方法を検討してみてください。
開業資金を調達する5つの方法
資金調達方法1:血縁・親族関係からの資金調達
実はこれ、意外と一番多い調達方法なんです。
銀行などから借り入れるより手続きも簡単で、なにより利息も高額にならないのが安心。
しかもこれには、もう一つ大きなメリットがあるのをご存知でしょうか?
血縁や親族からの資金調達は、簿記上は「資産」という扱い
この方法による資金調達は「借入」ではなく「資産」という扱い。
結論から言いますと「資産」は「自己資金」といえる場合があるのです。
これの何がメリットなの?
と思いますよね?
実は親族から借りた資金が自己資金と認定された場合、自己資金が多いため日本政策金融公庫からの融資の際に非常に有利になります。
返済義務が発生しないよう、借入というよりは出資という扱いにすればほとんどの場合が自己資金として認定されます。
しかし色んなメリットがあるとはいえ、もめごとに発展しやすいのも親族からの借入。
返済計画はしっかり立てましょう。
資金調達方法2:パトロンからの資金調達
「古くからお付き合いのある常連のお客様が出資してくれる」
というのは飲食の世界では良くある話。
こちらも「出資」という形ですので融資の際有利になるかというと、そういうわけにはいきません。
親族からの出資と違い、厳しいチェックが入ります。
それは融資審査の際、一時的に出資してもらって自己資金を増やし、融資を受けた後すぐに返済するといった方法で融資を受けようとする人がいるからなのです。
融資する側も、返済できない相手に融資するミスはできませんので、厳しいチェックが入るということになります。
ということでパトロンからの資金調達は、融資とは切り離して考えた方が無難でしょう。
資金調達方法3:民間の金融機関からの融資
民間の金融機関とは平たく言えば銀行。
銀行には大きく分けて信用金庫・信用組合と都市銀行や地方銀行があります。
大まかに言うと次のような特徴があります。
信用金庫・信用組合
小口融資に特化していますが、それほど多くの借り入れはできない。
都市銀行や地方銀行
小口融資に対応してないことが多いですが、利子が低めというメリット。
通常は保証協会付きで
大阪府・大阪信用保証協会・指定金融機関の三者協調で成り立つ融資制度を利用します。
金融機関に直接申し込むよりも融資を受けやすくなっています。
民間の金融機関の融資を受ける際には注意しておかなくてはいけないことがあります。
①融資のスピードが遅いこと。
申請してから審査結果が出るまで2ヶ月以上かかるところがほとんどです。
②飲食店に対する融資は、営業許可証が交付されていることが条件
店舗の外装や内装の工事費用として利用するには厳しい。
資金調達方法4:日本政策金融公庫の融資制度
知人や親族からは難しい、またはまだ足りないという場合は、日本政策金融公庫から融資を受けるのが一般的です。
中でも特におすすめななのが「中小企業経営力強化資金」制度です。
低金利かつ無担保・無保証人で借り入れでき、また創業時にも利用できる優れた融資制度なのです。
中小企業経営力強化資金のメリット
・新創業融資制度より1%利率が低い
たった1%と思う方もいますが、長期期間、例えば10年単位で考えると、1%は大きな侮れない金額です。
・金融機関に出向かなくていい
この制度を利用すると、専門家に代行をお願いすることができます。
開業する前の手間を省いてくれる嬉しいメリットのひとつです。
・融資の面談は専門家を同席させることができる
融資を受ける時には、必ず面談があります。
そこで創業に対する熱い思いを色々とアピールするのです。
しかし、やはり初めてとなると緊張してうまく話すことができない人はたくさんいます。
この制度を利用すると、面談の場に専門家が同席してくれて、あなたの言いたいことをうまく説明し、フォローしてくれます。
・担保・保証人が不要
融資を受ける際、保証人を探すのは本当に手間のかかる作業。
見つからないことも多々ある話。
この制度を利用すれば、融資を受けるにあたって保証人も担保も不要なので、余計な気を使うことなくて安心です。
・創業時から利用できる
一般的な金融機関で事業融資を申し込む際は、2期分の決算書の提出を求められることがほとんどです。
まだ創業して間もない企業は、銀行などの金融機関から融資を受けることは簡単ではありません。
その一方で、中小企業経営力強化資金は創業間もない企業も融資の対象となっています。
▶融資を成功させる!飲食店開業時の事業計画書と創業計画書の作成方法
資金調達方法5:補助金・助成金を活用
助成金・補助金の最大のメリットは返済・返金しなくていい点です。
特に地域活性化のための店舗開業の場合、かなり大きな金額をサポートしてくれることもあります。
中でも「創業補助金」や「キャリアアップ助成金」はよく利用される制度で、飲食店が特に優遇されている助成金です。
でも残念ながら開業資金の調達には利用できないんです!
大きなメリットのある助成金ですが、「開業1年経過していること」や「人材採用後」等、一定期間が経過しないと申請できません。
そのため開業資金の調達には利用できません。
しかし開業後はこの助成金や補助金の活用が非常に重要となってきますので、覚えておいて損はないでしょう。
まとめ
大切なのは、いろいろな資金調達の方法を知っておくことです。
今回解説した方法を利用し、多くの方が夢である自分のお店をオープンしています。
開業時だけではなく、資金調達は様々な場面で必要になってくることがあります。
こちらでご紹介した他にも色んな融資制度や助成金制度があります。
利用する、しないに関わらず知識として頭には常に入れておきましょう。