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【旬の魚介】ガンガラ・シッタカ・ニナ~その呼び名、合ってますか?謎多き貝の真実と、失敗しない茹で方

旬の魚図鑑
ガンガラの基本情報

味・おすすめ度:★★★☆☆3.5
磯の香りがたまらない!シンプルな塩ゆで、風味を付けて醤油煮。
個人的には大好きな貝ではあります。
ただしあまり人気があるとは言い難い・・・
ゆで方を間違えると「取り出しにくい」ところも、漁獲量が減って「かなり高値が付く」ところもややマイナスイメージにつながる。

価格・産地・呼び方など
こちらの市場では、ひっくるめて「ガンガラ」と呼ばれることが多いです。
仲買さんによっては「ニナ」と呼ぶことも。
また地域によって「シッタカ」「シタダミ」「イソダマ」など、あらゆる呼び名を持ちます
が!実はよく似た貝でも、色々種類があって「コシダカガンガラ」「クボガイ」「バテイラ」「スガイ」などが混同されて、ひとまとめに流通しているケースがほとんど。
これらの貝の同定は非常に難しいと思う


初めにお伝えしておきたいことがあります

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

貝の同定は苦手です・・・

市場に定番的に並ぶ貝であれば問題ないですが
例えば
「チヂミエゾボラ」と「エゾボラモドキ」
「エッチュウバイ」と「カガバイ」
などは市場で見かけても、即座に判断することができないと思います。
その最たるものがここでご紹介する「ガンガラ」

市場にはこんな感じで入荷してきます

一見すると同じように見えますが、実はこの中には2~3種類の貝が入り混じっています。

この縞模様は・・・オオコシダカガンガラ(かな?)
日本海にしか生息していないということですが、今日は長崎産。

殻高がさっきよりやや低く、縞模様ではなく霜降りみたいになってるから・・コシダカガンガラ(かな?)

また別の日、1kgほどざっくり抜いてみても

見るからに違う貝が入り混じる。
ざっくり分類すると

今日も2種類ほど入っているようです・・・

左がオオコシダカガンガラ(かな?)
右は貝底が緑色なのでクボガイ(かな?)

とにかく!こんな感じで入荷してきて

仲買
仲買

ガンガラいらんかえ~

とひとまとめで売られ、決して貝の固有名で売られることはない。
もしかしたら、いろんな種類が入ってることにさえ気づいていないとも思われます。

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

だからメニューにするときも「クボガイ塩ゆで」とかではなく「ガンガラ塩ゆで」でいいと思います。・・・いいですよね?

問題は「うまく茹でられるか?」失敗すると取り出しにくい・・・

仲買
仲買

はしもっちゃん!この貝どうやって茹でたらええん?

ガンガラのゆで方について
仲買さんと、他のお客さんとの間でもよく話題になるようです。

普通に考えれば、
またネットで調べても
「水から茹でる」
のが一般的な説です。しかし…

お悩み
店長

この前、水から茹でたけど、半分くらい引っ込んでしもて、ぜんぜん取り出せへんかったよ~

ということがしばしばあるようで

熱湯にシャッと入れて、一気にゆでるのがええんちゃう!?

寿司職人
寿司職人

いっぺん凍らせてから茹でたらええで!

などと、いろんなことを言う人がいるようで
仲買さんの間でもガンガラのゆで方については
「永遠の課題」
となっているということですが

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

僕のやり方では90%以上、いやほぼ100%ちゃんと取り出せますよ。

これは僕のおじいちゃんがやっていたやり方
結論から言えば「水から茹でる」のですが
今考えると温度管理が理にかなっているのです。


 

当店の「魚匠」が目利きし、責任をもって仕立てた本気の逸品を、ぜひご賞味ください。

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

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橋本流!ガンガラ貝の茹で方(いたって普通)

①まずは貝殻をしっかり洗いましょう。
コケ的なものが付いてて気になる方は、たわしなどでゴシゴシしても。
真水で洗うと、貝がびっくりして中に入っていくこともありますが気にしない。

②鍋に海水くらいの塩水(約3%)を入れる。
夏場、水温が高過ぎると、貝が活動しないので、20℃くらいに調整。
そこに貝を入れます

③そ~っとそのまま30分ほど置いとく

この日は21℃の塩水に15分ほど置いておきました。
ところどころ元気に動く子も
ガンガラが十分油断したところで

④ごくごく弱火でじわ~っと水温を上げていきます。
30度を超えるあたりからガンガラが異常に気付き始めるのか、身が出てきます。

先ほどの画像より、身が出てきているのがお分かりいただけると思います。
そのままじわじわ45℃くらいまで。
このくらいの温度になると、ガンガラはすでに自分でも気づかないうちに死・・・

⑤一気に火を強めて、沸いてから中火で約5分茹でます。
磯つぶ貝などは短時間茹でて、余熱で火を通しますが、ガンガラはしっかり目に茹でます。
ゆであがったら、そのまま鍋で止めておきましょう。

ガンガラの身を取り出す

茹でたてを食べるのもいいですが、冷まして一日置いた方が味がなじんで、身も取り出しやすくなると思います。

先ほどのように茹でると、身は中に引っ込まず、いかにも取り出しやすそうな感じでしょ。

爪楊枝を差し込んで

爪楊枝を持った方の手はほとんど動かさず、貝殻をくるくるっと螺旋に沿って回すようにすると

最後のわたまできれいに取れると思います。

先ほどはクボガイ(たぶん)でしたが、オオコシダカガンガラ(たぶん)でも同様に取り出せます。

味もどちらもよく似ています。
身は甘く、わたのほろ苦甘さと磯の風味が、夏の海岸を思い起こさせるよう。
どこか懐かしさを感じる、風情ある味わい。

仕入れ屋橋本
仕入れ屋橋本

どっちも美味しいけど、強いて言えば、この日はオオコシダカガンガラ?の方が、身がしっかり甘味がありました。貝の種類もですが、大きさも関係あるかと思います。

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