これからの商売が成功するもしないも、この物件探しにかかっている。といっても過言ではありません!
大切なのは自分の商売に合った物件なのかどうかということ。
決して「一等地でないと成功できない」ということではありません。
ここではあなたの商売にピッタリの物件を探すためのポイントをご紹介していきます。
絶対成功する物件探し:基本的な注意事項
何よりも先にコンセプトとターゲットとなる客層を明確にする
コンセプトが決まっていないと「どのような物件を借りるべきなのか」は絶対に決められません!
コンセプトについては内装や外観を決めるにも重要。
ターゲット客層は店舗の広さや立地を決めるのに欠かせない情報です。
資金調達よりも先に、契約する物件を探して仮押さえをする
「お金がなければ物件を借りられない」と思ってしまってませんか?
しかし、実際には、資金調達よりも先に、契約する物件を探して仮押さえをする方が得策です。
資金を調達する際には事業計画書が必要です。
その事業計画書が、家賃やどのような業種なのか、出店エリアはどこなのか何も分からない状態では融資を受けるのはとても難しい!
なので物件探しは先に行い、自己資金が少ない場合には、手付金を払わずに仮押さえできるように交渉しましょう。
可能であれば物件探しは工事業者に同行してもらいましょう
希望する物件を内見で確認すると、間取りや、設備の関係で予定していた席数を確保できないなどといったケースもあります。
また居抜き物件の場合、設備・機器が、使用できないといったトラブルが起こる可能性もあり。
想定外の工事費用が発生することも考えられます。
このようなトラブルを避けるためには、物件を工事業者と一緒に選ぶのが理想的。
希望通りの内装工事を行えるか?をその場で判断できるからです。
「空家賃」に注意!
いよいよ物件の契約!
この時「いつから家賃を支払わなければならないのか」について、注意しなければなりません。
飲食店の売上が無いのに家賃だけ支払う「空家賃」が発生するのであれば、自己資金から捻出する必要があるからです。
絶対成功する物件探し:飲食店の物件の種類
飲食店物件の種類は大きく分けて次の3つ!
- 居抜き物件
- スケルトン物件
- 間借り物件
「居抜き物件」とは?メリット・デメリットも併せてご紹介
居抜き物件とは、もと運営していた飲食店の内装・厨房やテーブル、椅子、トイレ、天井、床、壁などが残っている店舗。
居抜き物件を借りる場合には、設備が使用できる状態であるかを必ずチェック。
特に空き物件になってから時間が経っている物件については、十分に注意。
さらに、電気や水道・ガスが必要量を出しているかどうかを確認することも重要です。
居抜き物件を利用するメリット
- 設備費用や改装といった初期費用を抑えられる
- 開店までのスケジュールを短縮できる
- 飲食店をオープンするまでの家賃も節約できる
居抜き物件を利用するデメリット
- 元の店舗のレイアウトが残っているのでイメージする内装に仕上げにくい
- 造作譲渡料を請求されるケースもある
- 閉店店舗の後などは近隣の住民から良い印象を持たれていない可能性がある
こだわりの店舗づくりにおすすめ「スケルトン物件」
スケルトン物件とは設備や内装が 全て取り除かれてた状態の物件。
内装にこだわり、イメージ通りに仕上げたいという場合にはスケルトン物件を利用する方法が有効です。
ただし、初期費用が高くなり、開店までに時間がかかることも考慮しておく必要があります。
とにかく初期費用をかけたくないなら「間借り物件」
もともと所有者がいるスペースを時間単位で借りたり、一部分だけを借りたりする方法。
スケルトン物件のように店舗全体を一から作る必要がなく、スペースも狭いことが多いので初期費用を最も抑えられます。
絶対成功する物件探し:流れとチェックポイント
物件の絞り込みから、内見・申し込み・審査・実際の契約までの流れを把握しておきましょう。
理想の物件探しとスムーズな契約には欠かせません。
①物件の絞り込みのポイント
ポイント①立地
基本的に物件はお店のコンセプトやターゲットになる客層に合わせて選びます。
単純に「人通りがい多いから」「知り合いに勧められたから」という理由で選んではいけません。
例えば
家族連れがターゲットなのであれば家族で来店しやすい場所か?
会社員がターゲットであればオフィス街でランチ需要や帰りに立ち寄りやすい場所か?
などによって物件を選びます。
ポイント②広さ
コンセプトに基づき、どのような店舗にしたいのか?
適した広さを明確にしてから物件を探しましょう。
店舗が広い方が売上を上げられると考える人も多いですが・・・
広い店は家賃が高く、席数が多いと人件費も比例して増えます。
場合によってはコストが高くなり、売り上げはあるものの利益を得られないといった可能性もあるため注意が必要です。
ポイント③賃料
事業計画・売り上げ計画をしっかり立て、無理なく支払える賃料の物件を借りること。
賃料は毎月発生します。利益にそぐわない賃料は破滅の元です。
ポイント④物件の状態
スケルトンや居抜きといった「物件の状態」と「コンセプト・資金」を併せて検討します。
「内装費のかかるスケルトン物件で資金が尽きた!」
「居抜き物件でコンセプトに合わない」
というような事態に陥らないように。
ポイント⑤外観・設備
建物の外観に清潔感があるか、コンセプトに適した色や素材であるかなど、外観を確認します。
また、外看板を設置できる場所についても確認しておきましょう。
地域や場所によっては面する道に、何も置けない場合もあります。
ポイント⑥内装・設備
業態・業種によって必要な設備は異なります。
特に居抜き物件の場合は厨房設備はもちろんのこと、空調設備、音響設備、照明設備排煙設備や防音処理など、必要な設備と不要な設備を見極めましょう。
ポイント⑦費用
物件を取得する費用の他に改装費や修理費用など、どの程度の費用がかかる物件なのかを事前に確認。
それから自分の資金力に合わせて選ぶことが大切です。
なお、原状回復義務がない物件であれば、費用を抑えられるでしょう。
ポイント⑧駐車場の有無
家族連れをターゲットにする場合や郊外にある場合は、駐車場が必要になるでしょう。
ターゲットとなる客層に合わせて駐車場の必要性を考えましょう。
②物件の内見
ある程度物件が絞り込めたら内見を申し込みます。
全体のレイアウトや厨房の広さ、ホールの広さ、トイレの位置や扉の位置などを確認しましょう。
飲食店の場合、トイレや厨房といった水回りの改装は行えないことも多いです。
特に居抜き物件の場合、設備・機器の劣化状況を確認することが大切です。
③入居申し込み
入居の申し込みの際には、仮押さえなどの条件交渉や希望の条件についても伝えておき、必要な書類も準備しておきましょう。
また、他にも物件を探している人がおり、先に申し込みをされてしまう可能性があります。
申し込みはスピーディーに行うことが大切です。
申し込みをした後でも他に気に入る物件があれば、申し込みの取り下げが可能です。
④入居審査
飲食店を経営する場合、入居の審査には時間がかかるケースがあります。
また、時間をかけて審査を行ったにも関わらず断られるといったことも珍しくありません。
入居審査には事業計画書と申込書が必要な場合が多いです。
審査の対象には申し込みをした人の支払い能力の有無や、飲食店の種類などいくつかの項目が挙げられます。
また「人柄を確認したい」という理由で面接をするケースも珍しくありません。
⑤賃貸借契約
実際に契約をする場合、賃貸借契約書を作成します。
【契約をする際に必要なもの】
- 実印
- 確定申告書や源泉徴収書などの収入証明
- 保証人関連書類(本人の住民票や印鑑証明のほか連帯保証人の住民票、収入証明など)
- 印鑑証明
- 住民票など
- 他、金融機関の口座印と通帳、契約金、居抜き物件の場合は店舗資産譲渡契約書など
⑥物件の引き渡し
物件の引き渡しの際には、機材の動作確認などを行い、問題がないかどうかを確認します。
引き渡し段階で内装や設備に不備が見つかった場合には、当日中に不動産会社の担当者へ連絡を入れることが大切です。
絶対成功する物件探し:まとめ
「商売は場所でする」という言葉があるように、飲食店開業にとって物件探しは最大の山場です。
物件探しを絶対に成功させるため、事前にコンセプトを設計し、事業計画を立てておくことが重要。
しかし時には
「どうしてもこの場所で開業したい!」
と思える物件に出会うことがあるかもしれません。
その場合はその物件に合せ、再度コンセプトと事業計画を練り直す必要が出てくるでしょう。